【CGキャラがクルマの代理人?】自動運転バス案内する女子高生「サヤ」とは
公開 : 2021.04.02 05:45 更新 : 2021.10.09 23:41
システムの代理人と会話?
このアイシン精機などが提案する技術は、AIで操作されたCGキャラクター「サヤ」を、システムのエージェント(代理人)とするものだ。
「サヤ」というAIエージェントが乗員と会話でコミュニケーションをとる。この方式は、非常によいアイデアだ。利用する人が高度な技術を理解していなくとも、誰もが問題なく自動運転バスを利用できる。
同じように、自家用車にもAIエージェントを利用できれば、クルマと人のHMI問題も多くの部分が解決できるはずだ。
先鋭化し、多機能化する先進運転支援システムのすべての操作方法と機能の限界などを理解して記憶することは困難だ。とくに走行中は、取扱説明書を引っ張り出して、操作方法を調べることはできない。
しかし、AIエージェントが会話で対応してくれるのであれば、わからないことは聞けばいい。会話形式であれば、運転したまま、操作方法を教えてもらうことができるのだ。
実際に、そうした会話式のコミュニケーションの試みは、少しずつ始まっている。
メルセデス・ベンツやBMWなどの欧州メーカーでは、会話式を取り入れ始めている。
これらは、スマートフォンやAIスピーカーの音声操作に近いものだ。ただし、操作は、いまだカーナビやオーディオ、エアコンの操作、情報の検索などに限定されている。
クルマとのコミュニケーション進化?
また、音声だけでなく、さらに突っ込んだ試みもいくつか出ている。
中国では、すでに美少女キャラの3Dホログラムをダッシュボード上に表示させる機能が数年前から登場している。クルマに乗れば、自分だけの美少女が待っているというわけだ。
これは、こうした美少女キャラが好きな人であれば、嬉しくてたまらない機能だろう。
また、トヨタも車載の超小型コミュニケーションロボ「キロボ・ミニ」を実験的にリリースしていたのだ。無味乾燥のAI音声だけの案内ではなく、どうせならば可愛らしい女性やロボット、格好のよい男性のCGキャラクターが相手をしてくれた方が良いという人も多いはずだ。
この先、クルマにコネクテッド機能の搭載が普及してゆき、5Gなどで通信速度やデータ通信量が増えれば、クラウドのサーバーがより利用しやすくなる。
そうとなればドライバーの音声認識の精度も高まるだろうし、CGキャラの表示も容易になるだろう。
未来のクルマは電動化や自動化ばかりではなく、HMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)という点でも大きく進化するのは間違いない。
どのようなコミュニケーションが生まれるのかに注目したい。