【毎年改良のメーカーも】クルマの頻繁な「改良」メリット/デメリット OTA導入で頻度さらに高く?
公開 : 2021.03.25 05:45
年次改良のメリット・デメリット
毎年のような頻繁な改良は何をもたらすのだろうか。
メーカー目線でいえるのが、時流にあわせた機能の追加や技術の進化を反映させる性能アップやコストダウンの実現だ。
改良するたびに商品力を高めることができる。モデルライフが長くなる中で、売れ続けるための大きな武器になるのだ。
ただしデメリットもある。開発費は当然、かさむことになるし、生産の現場でも手間がかかる。
ディーラーや整備工場などでのメンテナンスや修理も、年式ごとに中身が変わって作業が煩雑になって嬉しいはずはない。在庫しなくてはならない部品点数が増えるのもマイナスだろう。
一方、ユーザー目線では2つの見方がある。購入する前のユーザーであれば、いつ購入しても、常に内容がベストだということ。
1番良いものが手に入るのだ。ただし、購入した後は、逆に残念になる。翌年になると、もっと性能を向上させた商品が登場するのは、正直、恨めしいだろう。
OTAの実現で改良が激増?
しかし、そんなユーザーの恨めしさをメーカーも理解しているのだろう。
マツダは、2020年11月に実施したマツダ3の商品改良のうち、一部のソフトウェアのアップデートを販売済のクルマに無償で提供するという。
近年のクルマは、エンジンの制御だけでなく、ハンドリングやブレーキなども高度に電子制御化されている。
そこで重要となるのがソフトウェアだ。また、自動ブレーキなどの先進運転支援システムも、同じようにソフトウェアが肝となる。
しかし、これまでは商品不良となる問題に関するソフトウェアのアップデートはおこなわれてきたが、性能向上のものは、あまりおこなわれてこなかった。
そこにマツダが新たな流れを提唱した。こうした試みは、ユーザー目線でいえば大歓迎だ。
しかも、自動車業界には「OTA(Over the Air)」と呼ぶ最新技術の導入が間近に迫っている。
これは、スマートフォンのアプリをアップデートするのと同じように、通信によってクルマのソフトウェアをアップデートさせるというもの。
すでにテスラが導入しているものだが、今後は日系メーカーにも採用が広がることが予測される。
この「OTA」の導入が進めば、改良の機会が激増することは確実。年次ではなく、月単位になるかもしれない。