【勘違い要注意】並行輸入車 審査要領の一部改正 すべてのクルマが登録できなくなる=偽情報
公開 : 2021.03.15 16:35 更新 : 2022.03.25 18:50
EU/アメリカ/カナダからの並行輸入車は
ほとんどの並行輸入車はEU/アメリカ/カナダから輸入されている。
これらの国々からの車両に関して言えばこれまで通りと考えてよいだろう。
今回の改正については「技術基準等の適合性を証する書面等の取扱いの明確化等」を目的としている。
ポイントは以下3点となる。
今回はとくに多くの並行輸入に関わってくる、2について触れておく。
1. 技術基準等宣言書による適合性証明範囲の明確化
2. WVTAラベル等の審査の厳格化
3. 技術基準等の適合性を証する書面の統一化
2番の「WVTAラベル等」とは、WVTA(EU各国における保安基準 Eマークの取得が必要)の他には、FMVSS(アメリカの保安基準に適合)、CMVSS(カナダの保安基準に適合)が挙げられる。
これらのラベルが貼られた車両に関しては、これまで通り並行輸入が可能で何ら変わらない。
ただし、「審査の厳格化」(ラベルの内容を精査することや、提出書類が他のクルマのものではないか? などをしっかり確認する)がうたわれている。
過去、日本へ入って来た並行輸入車の中にはラベルの審査自体も厳格におこなわれていなかった実態もある。
並行輸入、厳しくなる可能性高の国は
日本に入ってくる並行輸入車の多くは、EU/アメリカ/カナダの保安基準に適合している。
いっぽう、これ以外の国や地域からの並行輸入が今後、厳しくなる可能性はある。
例えば、EU/アメリカ/カナダ以外の国から車両を輸入する場合はこれまでは、自動車メーカー等が発行する書類によって各種の適合を確認していたが、審査要領が改正されるとこの書類の確認が厳格になる。
自動車メーカーが単に発行するだけではなく、安全性を証明した書類の「原本」を揃えないと認められなくなる可能性が高くなるようだ。
事故が発生した際、責任の所在が取れない問題も出てくる。
先に記したWVTA、FMVSS、CMVSSのラベルがないこれらの国で販売されるクルマは、自動車メーカー等が発行した認証の書類が必要となるが、事実上並行輸入業者に対して自動車メーカー等からの正式な書類を発行することはほぼ不可能といわれている。
ゆえに、残念だがオーストラリアや中東、アジア諸国など、EU/アメリカ/カナダ以外の国からの並行輸入は現在のところかなりむずかしくなるだろうと考える関係者は多い。
しかし、一切できなくなるのか? というとそういうことでもない。
自動車機構に確認したところ、「ラベルがない国のクルマは、ラベル以外での確認も可能」との回答を得ている。こちらは別記事でまたお伝えしたい。
ところで、なぜ今回、審査要領が改正され、ラベルの確認や各種の書類が厳格化されるのか?