【どこに注意?】低走行すぎる旧車 低走行=高品質とは限らず
公開 : 2021.03.20 05:45 更新 : 2021.10.13 12:14
中古車サイトで低走行の旧車に出会うことがあります。しかし必ずしも低走行=質が高いとは限らないようです。
「低走行車は高値」のワケ
中古車の値段というのはさまざまな要因が幾重にも折り重なって付けられており、一言で説明するのは難しいものである。
ただ大前提として、同じ年式の同じ車種、同じグレードでオプションなどの装備差やボディカラーに違いがなければ、走行距離が少ない方が高値となる、というのはどんな車種でもある意味常識といえるポイントだろう。
ひと昔前では年間走行距離の目安は1万kmと言われていたこともあったが、ソニー損害保険株式会社が調査・発表した2020年のデータによると、年間の走行距離の平均は6017kmということらしいので、年数×6017kmを下回る走行距離の車両は平均よりも低走行ということになる。
ではなぜ低走行車の価値が上がるのかというと、当然ながら走行距離が進んでいない=クルマが酷使されていない、という判断となり、部品の集合体であるクルマの各部がそこまで消耗されていないという前提のもと、高値がつくのだ。
メカニカルな部分だけでなく、稼働する機会が少なかった車両については内外装へのダメージも少ないものが多いというのもポイントで、とくに日常的にドライバーが降れることになる運転席や、ステアリング、シフトレバーといった操作部の劣化が少ないというのも状態の良い中古車を狙う側からすれば見逃せない点となるだろう。
極端に低走行な旧車は大丈夫?
新車では手の届かないような憧れのクルマでも、中古車であれば現実的な価格になるというのも中古車を狙う魅力の1つであるが、もう1つの魅力といえるのが、もうすでに新車で購入することができない絶版モデルを愛車にできるという点だ。
絶版車については中古車を狙うしかないため、なるべく状態のよい個体を探し出したいと思うのは人の常。
そんなとき、圧倒的に走行距離の少ない個体が予算内で出てきたとしよう。
もし、狙っている車種が生産終了から5年以内でまだメーカー保証が残っているようなモデルであれば、迷わず買いといえる。
しかし、そのモデルが30年以上経過した明らかな旧車であるときは、なかなか判断が難しくなってきてしまうのだ。
その個体が適切な場所に保管されてきたものであればいいのだが、例えば日の当たる駐車場に駐車したまま、ほぼ放置されてきたような状態のものであれば、塗装の状態も荒れているだろうし、内装も紫外線などの影響で劣化している可能性が高い。
定期的に走行している車両であれば、雨の日にパネルの継ぎ目などに進入した水分も晴れた日に走行することでほとんど蒸発してくれるのだが、駐車したままとなると水分もそうだがチリやホコリが隙間に詰まり、水の流れる道を塞ぎ、見えない部分から腐食が進んでいるということもあり得るのだ。