【内側は総入れ替え】ジャガーEペイス P300eへ試乗 新プラットフォーム 新エンジン
公開 : 2021.03.24 08:25
スポーティさを感じるドライビング体験
一方で49.9km/Lというカタログ燃費は理想値。様々な条件を交えてP300eを試乗した結果、15.0km/Lという燃費が得られた。ディーゼルのディスカバリー・スポーツでも13.0km/Lを越えることはほぼないから、悪い数字ではないだろう。
Eペイスのドライビング体験には、スポーティさがある。コンパクトSUVの多くは安全寄りに性格付けされている中で、EVペイスは身のこなしが比較的軽い。
その走りを支えるのが3気筒ターボエンジン。3気筒だと脈打つサウンドで主張する場合が多いが、このユニットも例外ではない。だたし、うるさく感じるほどではなく、耳あたりは良いようだ。
電気モーターだけで走行するEVモードは、このクラスのPHEVとして一般的な印象。市街地で中心となる64km/hくらいまでは力強いものの、それ以上の速度になると加速力に陰りが出てくる。
高速道路の速度域でもEVモードで走れるが、勾配が急でなくても、追い越し車線では活力に欠けることは明らかだった。バッテリーの充電が少なくなると自動的にハイブリッド・モードになるが、シームレスに移行してくれていた。
ハイブリッド・モードを選択すれば、エンジンとモーターとが協働し、PHEVのEペイスは速い。高回転域まできれいに回り、追い越し加速のような場面でもしっかりボディを引っ張ってくれる。
選びたいと思える要素は多い
サスペンションは、乱れた路面を上手になだめる。それでいて、コーナリング中はしっかり姿勢制御もしてくれる。
電動パワーステアリングの反応はシャープでダイレクト。SUVとしては、感触も十分に良いと呼べるだろう。ライバルより運転を楽しく感じさせてくれる、フィードバックや手応えも感じ取ることができる。
PHEVのコンパクトSUVの中で、ジャガーEペイスは興味深い選択肢となる。内容としてはライバルと大きな違いはないものの、ドライビング体験はより楽しい。
一方でこのクラスの中で、値段は安い方ではない。今回試乗したP300eの英国価格は、4万5995ポンド(689万円)から。
それでも、選びたいと思える要素はライバルよりEペイスの方が多い。面白い1台が登場したといえるだろう。
ジャガーEペイス P300e PHEV Rダイナミック S(欧州仕様)のスペック
価格:4万5995ポンド(689万円)
全長:4411mm
全幅:1900mm
全高:1649mm
最高速度:215km/h
0-100km/h加速:6.5秒
燃費:49.9km/L
CO2排出量:44g/km
車両重量:2173kg
パワートレイン:直列3気筒1498ccターボチャージャー+AC同期モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:15kWh
最高出力:309ps(システム総合)
最大トルク:54.9kg-m(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック