【バンパーでデザイン台無し】カウンタック、ミニ、MGB 5マイル・バンパーに泣いた8台
公開 : 2021.04.03 07:05
ジャガーEタイプ 意見の分かれるシリーズ3
北米の安全基準に、ジャガーEタイプすら蚊帳の外ではいられなかった。熟成につながった、というのは皮肉すぎるかもしれない。
ヘッドライトのガラスカバーは1968年にすでに省かれていたが、さらにホイールを固定するノックオフ・スピナーが安全確保の対象となった。そして意見の分かれるEタイプ・シリーズ3が誕生する。
全体的にデザインが見直されており、シルエットは好みの分かれるところだろう。しかし1973年からフロントに付いた大きな黒いゴムの塊は、デザインを気に入った人でも顔をしかめるはず。1974年からは、リアにもゴム製のオーバーライダーが付いた。
バンパーだけがEタイプ・シリーズ3の悪役ではない。しかし、最も目立つ部分だったことは確かだと思う。
BMW 2002 254mmも伸びた全長
正直なところ、BMW 2002以外にもドイツ製の様々なモデルがここに加わって良い。メルセデス・ベンツもポルシェも、大きなバンパーが付けられた。
しかし1974年以降のBMW 2002のバンパーは特に大きい。今回のリストに一番ふさわしいだろう。なにしろ、全長が254mmも長くなるほどのサイズがある。
金属とゴムで構成された巨大な一体バンパーは、油圧ダンパーで支えられている。見た目もひどい。
さらに残念だったのは、次期モデルとして誕生したE21型の3シリーズも、バンパーの見た目が良くなかったこと。きれいにデザインへ反映されることなく、1977年に北米で発売された。
フィアット124 スポーツ・スパイダー 鈍る輝き
イタリアの大手自動車メーカーのクルマたちも、5マイル・バンパーによってデザインは改悪された。だが、被害は比較的軽かったといえる。
キュビズム的に、見る角度ごとに美しいデザインが与えられていたからだろうか。追加されたバンパーも、上手にボディに馴染めていたように思う。どちらかといえば。
反面、それとは対象的なのがフィアット124スパイダー。素敵なクロームメッキのバンパーは分厚いゴムでコーティングされた無骨なものに置き換わり、環境規制によってパワーも絞られた。
カーデザイナーのトム・ジャーダが描いたボディは、まだ目を引く美しさを保っていた。しかし初期モデルと比較すれば、明らかに輝きは鈍っている。
BMCミニ BMWミニへ影響か
オリジナルのミニは、安全第一主義の影響を強くは受けなかった。アメリカでは販売されていなかったことが、大きな理由の1つ。だがカナダでは販売されており、小さくない変更を受けている。
見た目で一番わかりやすい点は、ここでも醜いバンパー。必要以上に大きいフロントのウインカーやサイドマーカーも、ボディを汚している。
当時は、ミニ好きには嫌われたデザインだった。しかし、BMWが新生ミニをデザインする際に与えた、フロントグリルを二分する高い位置のバンパーへ影響を与えたとも考えられなくはない。