【詳細データテスト】マツダMX-30 デザインや質感は上々 飛ばせば元気 市街地で真価を味わえず
公開 : 2021.03.20 20:25 更新 : 2021.03.27 05:14
内装 ★★★★★★★★☆☆
MX-30の地上高とシートポジションはやや高く、クロスオーバー的だがルーフラインは低く、曲線を描いている。そのため、外観はコンパクトに見える。
運転席へ座るには、やや背をかがめることになる。後席へ収まるには、まずフロントドアを開け、車内側にあるハンドルを引いてリアドアを開けるようになっている。前後ドアとも大きく開くのだが、前後席へ同時に乗り込むのは、前後とも前ヒンジドアを持つ一般的なクルマより難しい。
後席スペースは大人にはタイトだが、子どもなら十分な広さがある。この点は、フルサイズ4シーターというより、BMW i3やホンダeあたりに近い。
しかし、トノカバー下で341Lという積載容量を考慮すると、それらのコンパクトカーより実用性は高いといえる。それほど余裕は残らないものの、折りたたんだベビーカーを積み込むことが可能だ。
前席周りの見た目の質感はハイレベルだ。キャビンの雰囲気は高級感があり、手触りもいい。テスト車はリサイクルプラスティックを部分的に用いたファブリック仕様だったが、質感に妥協は感じられなかった。
センターコンソールやドアハンドル周りに用いられた天然コルクは、クルマのインテリアには滅多に使われない素材だ。これを採用した理由は、ひとつにマツダのルーツがコルク製品メーカーだという歴史的背景がある。
そして、再生可能な自然素材で、木を伐採せずに繰り返し収穫できる環境負荷の低さが、自然体でいられる居住空間を目指したMX-30に最適だと考えられたとも説明されている。現代の自動車産業における内装材としては異色だが、どことなくレトロ感も漂う仕上がりとなった。
メーターパネルがシンプルなのは喜ばしいことだ。スタイリッシュさより読み取りやすさ優先だが、むしろそれが功を奏している。操作系は扱いやすい配置で、ずんぐりしたシフトレバーは、ドライビングを楽しみたいときに、握りしめると安心できるような存在感がある。
空調のコントロールパネルはタッチ画面式だが、少ないながらも選り抜かれた実体スイッチを併用している。走行時などの使い勝手を考えれば、これはありがたい。