【フロントグリルの見え方】BMW 4シリーズ(3) 長期テスト 仕様や色で変わる見た目

公開 : 2021.04.03 09:45  更新 : 2021.07.12 18:55

SUVが主役となった自動車市場に、2ドアクーペの居場所はまだあるのでしょうか。最新BMW 4シリーズの実力を、長期テストで英国編集部が確かめます。

積算2534km ヘッドライト・ウオッシャー

text:Piers Ward(ピアス・ワード)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
新型コロナウイルスの影響は英国でも収まらず、BMW 420dの出番は少ない。冷えた夜に出かけようとしたら、ヘッドライトの汚れが酷いことに気づいた。

最近のクルマは、ヘッドライト・ウオッシャーが付いている例が少ない。雑巾で拭いたらかなりの汚れだった。装備しても良いと思うのだが。

BMW 420dクーペ Mスポーツ(英国仕様)
BMW 420dクーペ Mスポーツ(英国仕様)

積算2650km ボディに積もる雪

今年は降雪量が多く、BMW 420dに積もった雪を取り除くのに、手持ちの短いスクレーパーでは役立たずなほど。子供のプラスティック製スコップを拝借することにした。

ディーゼルエンジンを積んでいるものの、暖まるまでには時間がかかる。フロントガラスをきれいにしておいた方が、暖まるのも速いはず。まずは柄の長いスクレーパーを買うことにしよう。

BMW 420dクーペ Mスポーツ(英国仕様)
BMW 420dクーペ Mスポーツ(英国仕様)

積算2662km BMWの最近のデザイン

最近のBMWが展開するデザインには、疑問を感じている読者もいるだろう。BMWのデザイン部門を率いるアドリアン・ファン・ホーイドンクとドマゴイ・デュケックのインタビューを読んだことのある筆者も、今ひとつ納得できないでいた。

BMW 4シリーズの町中での反応は、あまりない。ネット上の話題性を反映するものなのか、ロックダウンでそもそも人通りが少ないのか、理由はよく分からない。

BMW 420dクーペ Mスポーツ(英国仕様)
BMW 420dクーペ Mスポーツ(英国仕様)

あるいは正面から見ない限り、4シリーズは全体的にエレガントなデザインだからかもしれない。運転中に通り過ぎても、フロントマスクを眺められる時間は短い。

デザイナーがコーディネートした4シリーズ

しかし、考えを改める機会があった。アドリアン・ファン・ホーイドンクに4シリーズについて尋ねた際、BMWのサイトからコンフィギュレータにアクセスしてくれた。

彼が選んだ仕様の4シリーズの画像は、正直悪くなかった。むしろ好きに思えた。

BMW M440i xドライプ
BMW M440i xドライプ

ドラバイトグレー・メタリックというボディカラーに、19インチのバイカラー・ジェットブラック・ホイールを履いたM440i xドライプのクーペだ。M440iの場合、420dとはフロントグリル外周の処理が異なる。

この組み合わせだと、物議を醸しだすフロントマスクが穏やかに見える。新しいM5クラブスポーツの広報用写真に用いられているカラーも、同様の理由で選ばれたのだろう。

インテリアには明るいブラウン、コニャックのレザーと、濃いめのブラウン、モッカのステッチという配色をファン・ホーイドンクは選んだ。筆者なら、こんな色は選ばないかもしれない。420dの落ち着いた黒が好みだ。

カーデザイナーが、自ら手がけたクルマをどう仕立てるのかを見ることは、とても興味深い。数ヶ月から数年を掛けて、細部に至るまでデザインを煮詰めている。クルマの見た目は、選ばれる仕様で大きく変わってしまう。

色の選択も同様。どんな傾向やトレンドが来るのかを予想し、先を見据えて選択できるカラーを決める。彼らが選ぶカラーは、市場がどんな嗜好へ進むのかを示すといえる。

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