【F1セーフティカーを市販化】アストン マーティン・ヴァンテージF1エディション 欧州発表 専用セッティング
公開 : 2021.03.23 06:05
アストンは、F1セーフティカーのヴァンテージの市販モデルを発表。エンジンは535psに強化されています。
61年ぶりのF1復帰に合わせて
アストン マーティンは、F1セーフティカーの市販車仕様「ヴァンテージF1エディション」を発表した。セーフティカーと同様に、専用のスタイリングとアップグレードが施されている。
このモデルは、「最近就任したアストン マーティンの最高経営責任者であるトビアス・ムアースから直接意見を得た最初のコアモデル」と説明されており、同社が61年ぶりにF1に復帰するのに合わせて発表された。
基本的には、メカニカルおよびスタイリングのアップグレードはセーフティカーと同様だが、レース中のオペレーションに必要なスクリーンや通信機器は装備されていない。
ヴァンテージの4.0L V8ツインターボの出力は、510psから535psに向上し、69.7kg-mのピークトルクを「より長く持続させることで、トラクタビリティとギアチェンジの際の加速力をさらに高めた」という。また、トランスミッションにも改良を加え、変速に必要な時間を短縮するとともに、減速時のパワートレインのコントロール性を向上させている。
フロントエンドのシャシーを強化して剛性を高め、ダンパーをアップグレードすることで、「低速域の快適性を損なうことなく」、垂直方向のボディコントロール性を向上させているという。さらに、硬いリアスプリングや、フィードバックを向上させるステアリングシステムを採用している。
新CEO就任以来、初の量産モデル
クーペタイプとオープンタイプの両方が用意されたF1エディションは、専用デザインの21インチホイールとロープロファイルタイヤ、トップスピード走行時のダウンフォースを200kg増加させるエアロパッケージ、随所に施されたカーボン製のディテールなどにより、標準モデルとは一線を画している。
また、F1チームのカラーリングにインスパイアされた新色のレーシング・グリーン、ブラック、ホワイトが用意されており、いずれもサテン仕上げまたはグロス仕上げが選択可能。マットグレーのレーシング・グラフィックも施されている。
ムアースCEOは、自身が就任してから初めて発売された量産モデルについて次のように述べている。
「ヴァンテージは、当社のスポーツカーの中でも最も力を入れているモデルでしたが、F1のオフィシャル・セーフティカーを開発するにあたっては、よりパワフルで、より俊敏で、より速く、よりエキサイティングな運転ができる真のアスリートでなければなりませんでした」
「わたしはエンジニアリングチームに厳しい目標を設定しました。パフォーマンスの向上は、サーキットに最適化されたタイヤを装着するのではなく、クルマのダイナミクスを真の意味で改善することであると主張したからです。その結果が物語っています」。
価格は14万2000ポンド(2142万円)からで、標準モデルのヴァンテージに比べて約2万1000ポンド(316万円)高くなっている。納車は5月から開始される予定だ。