【300CEハンマーの精神的後継】メルセデスAMG GT 73e 年内発売予定 ブランド初のPHEVへ

公開 : 2021.03.23 06:25  更新 : 2021.07.27 14:51

ライバルを圧倒するパワー

新型GT 73eは、「少なくとも816psに匹敵する」パワーを持つとされ、V8ハイブリッドで合計出力680psのパナメーラを130ps以上も上回ることになる。

また、最大トルクも102kg-mに達すると思われる。電気モーターからのトルクは、トランスミッションや4輪駆動システムによる制限を受けることなく、直接後輪に供給される。

メルセデスAMG GT 63 4ドアクーペ
メルセデスAMG GT 63 4ドアクーペ

電力は、トランクの床下にある水冷式リチウムイオンバッテリーから供給される。その容量や化学的なプロセスについては、発表予定日まで半年を切った現在も明らかにされていないが、関係者の間では、新たに発表された第5世代Cクラスのプラグイン・ハイブリッド仕様と同じセルを使用するのではないかと言われている。

GT 73eは、電気モーターとバッテリーの採用により車両重量が大幅に増加するが、0-100km/h加速ではGT 63の3.2秒を上回る3.0秒以下を実現する。

また、電気のみでの走行も可能だ。正確な数値はまだ公表されていないが、最近のメルセデスのプラグイン・ハイブリッドモデルでは、25.4kWhから31.2kWhのバッテリーで最大100kmの航続距離を実現しており、DC充電にも対応している。

初代メルセデスAMG 300SEハンマー

メルセデス・ベンツAMG 300CEハンマーは、1987年のジュネーブ・モーターショーでデビューした。300CEをベースに、直列6気筒から、560SELに搭載されていた5.6L V8エンジン「M117」に換装したモデルである。初代モデルは、最高出力360ps、51.9kg-mを発揮した。

しかし、メルセデス・ベンツがM117を6.0Lにアップサイジングし、出力を390psに向上させる第2の出力オプションを提供し始めるまで、この伝説は完成しなかった。このエンジンの改良を担当したのは、AMGの創設者の1人であるエアハルト・メルヒャー(社名の「M」の由来となった人物)だった。標準の2バルブから4バルブに変更されたシリンダーヘッド、カムシャフトの見直し、ピストンの軽量化などが行われた。

メルセデスAMG 300SEハンマー
メルセデスAMG 300SEハンマー

300CEハンマーは、パワーよりも、当時のパフォーマンスカーとしては驚異的な57.5kg-mのトルクで知られており、0-100km/h加速4.8秒、最高速度305km/hを実現していた。

エンジンのパワーアップだけではない。4速AT、LSD、大型ブレーキ、サスペンションシステムの見直し、17インチホイールとフロント235/45、リア265/40のタイヤ装着、ダックテール型リアウイングによるダウンフォースの強化など、ドライブトレインとシャシーにも大幅な改良が施された。

また、レカロ社製のフロントシートやスポーツ・ステアリングホイールなど、インテリアにも細かな改良が行われている。最上位モデルには、12台しか製造されなかったといわれる「Breitcoupe(ワイドボディ)」も用意されていた。

左ハンドルの300CEハンマーBreitcoupeの発売当時の価格は約12万ポンド(1810万円)で、現在の価格に換算すると約30万ポンド(4526万円)に相当する。

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