【ヒュンダイの成長を示す】ヒュンダイ・コナ・ハイブリッド1.6へ試乗 競合はC-HRやキャプチャー
公開 : 2021.04.04 08:25
足を引っ張るトランスミッション
トヨタ・プリウスのように、コナのハイブリッドも電気モーターだけで走行できる。でも、かなり繊細な右足の操作が必要。少しアクセルペダルに力を入れると、ガソリンエンジンが簡単に目覚めてしまう。
実際に試してみたら、88km/hくらいまで電気モーターだけで走ることができた。慎重な運転と、平坦な道が必要ではあるが。
ガソリンエンジンは基本的には上質に、滑らかに回転する。速いと感じるほどではないものの、高速道路でも不満を感じることはないだろう。80km/hを超えると活気に陰りが出始めるから、追い越しは少し計画的に行なう必要がある。
4000rpmを超えた辺りから、エンジンノイズが目立ち始める。しかし、純EVのように航続距離を心配しなくていいことを、メリットとして考えたい。
電気モーターはエンジンと調和が取れている。動力源が電気モーターへ切り替わる際もスムーズで、エンジンへのバトンタッチも滑らか。全般的に心地いいシステムだと感じた。
そんな印象をふいにするのがトランスミッション。デュアルクラッチ6速ATだが、走行状態の判断が良くなく不必要に変速する場面が見受けられる。あえて言及したくなるほど、弱点の1つだと思う。
マニュアルモードで運転すれば、だいぶ滑らかに変速をこなしてくれる。スポーツカーではないから、ドライバーがマニュアルモードを積極的に使いたいと思うタイプとはいえないだろう。
興味が惹かれるのは純EV版
マイナーチェンジでサスペンションも改良され、スタビライザーとリアのバンプストッパーが新しくなっている。ヒュンダイによれば、乗り心地と横方向の姿勢制御を向上させたという。
確かに、従来より快適な印象は受ける。姿勢制御は良好で、クルマに酔うような動きは抑えられている。ただ鋭い入力が加わると、少し硬く感じられることもあった。硬めの乗り心地は、この手のクロスオーバーにはマッチしないように思う。
気になる点もなくはないが、フェイスリフトで洗練度を高め、訴求力あるパワートレインが追加されたことは間違いない。トランスミッションはMTを指定したいところだ。
コナのラインナップで筆者が一番興味を惹かれるモデルは、やはり純EVのコナ・エレクトリックではある。しかし電気自動車へ踏み出すのはまだ早いと感じているのなら、ハイブリッドのコナは悪くないチョイスになるだろう。
ヒュンダイ・コナ・ハイブリッド1.6 GDi DCT ウルティメイト(英国仕様)のスペック
価格:2万9050ポンド(435万円)
全長:4205mm
全幅:1800mm
全高:1565mm
最高速度:160km/h
0-100km/h加速:11.3秒
燃費:19.6km/L
CO2排出量:115g/km
車両重量:1301kg
パワートレイン:直列4気筒1580cc自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
バッテリー:1.56kWh
最高出力:143ps/5700rpm
最大トルク:14.9kg-m/4000rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック