ミニ・クーパーS
公開 : 2014.01.31 21:00 更新 : 2017.05.29 19:15
■どんなクルマ?
第3世代のミニのラインアップの中で、現状最も速いモデルがこのクーパーSだ。新しいミニのラウンチ・ラインナップは、前モデル同様に4気筒エンジンを搭載したこのクーパーS以外は、すべて3気筒モデルとなっている。
クーパーSに搭載されるエンジンは、1998ccのツインスクロール・ターボを備えたダイレクト・インジェクション・ユニットだ。前モデルよりも排気量は400ccアップされた。これはミニ・ハッチバックの中では最大の排気量を持つことになる。しかし、排気量はアップされたが、その重量は7kgのダイエットに成功している。
パワーは8bhpあがった189bhp、トルクは2kg-mあがった28.4kg-mになった。その結果、パフォーマンスも向上し、0-100km/h加速は0.2秒速い6.8秒に、トップスピードは6km/h上がった235km/hとなった。
スタイリングは、他のミニに対して、大きな水平ダクトを持つ彫りの深いフロント・バンパー、特徴的なボンネット・スクープ、ラリーにインスピレーションを受けたグラフィックと、大きなサイド・シルなどで明確に区別される。また、ホイールは16インチが標準となっている。
インテリアもリデザインされている。非常にプロポーションの良い本革巻ステアリングや、ユニークなインストル目のt、そしてサポートの良いシートなどが取り付けられている。
■どんな感じ?
エンジンに火を入れた瞬間から、それがスポーティで能力の高いパワー・ユニットであることは一目瞭然だ。スタンダード・クーパーに搭載される3気筒ユニットのようなフレキシビリティはないが、それでも改善されたロー・エンドでのレスポンスと、ミッド・レンジのパワー・アップが感じられる。この新しいクーパーSは、確実に前モデルよりも速くなり、しかも運転していて愉しい。
スタンダード・クーパー同様に成熟され、速度反応型のステアリングも、軽いフィーリングだが、正確で路面状況をダイレクトに伝えてくれる。
この新しいクーパーSの魅力のひとつにセキュリティが向上したことが上げられる。タイトなコーナーに進入し立ち上がる際に、リア・エンドがラインからステップアウトすることもない。そのため、初めての道でも安心して走行することができる。リアが例え滑りだしても、そのマナーは非常に良い。
乗り心地は前モデル同様に固いままだが、よりスムーズで寛大な感じがした。但し、圧縮側とリバウンドの繊細さには今ひとつ不満があるのも事実だ。
■「買い」か?
ゼロから新しいモデルを開発した場合、前モデルのいい部分が必ずしも引き継がれないというのはこのクーパーSに限っては嘘だといえる。あなたがも2代目のクーパーSのオーナーであるならば、この3代目クーパーSに充分惹かれることだろう。あらゆる面で改善が施され、疑う余地なくファン・トゥ・ドライブであるからだ。
面白いクルマを求めつつも、日常的なユーザビリティも大事にしたいという欲求に、生まれ変わったクーパーSは応えてくれる1台であろう。
(グレッグ・ケーブル)
ミニ・クーパーS
価格 | £18,650(315万円) |
最高速度 | 235km/h |
0-100km/h加速 | 6.8秒 |
燃費 | 17.6km/ℓ |
CO2排出量 | 133g/km |
乾燥重量 | 1160kg |
エンジン | 直列4気筒1998ccターボ |
最高出力 | 189ps/4700rpm |
最大トルク | 28.4kg-m/1250rpm |
ギアボックス | 6速オートマティック |