ホンダ・シビック・ツアラー1.6 i-DTEC SR
公開 : 2014.02.01 21:00 更新 : 2017.05.29 19:09
■どんなクルマ?
ホンダ・シビック・ツアラーは、ハッチバックをベースにBピラーから後ろにカーゴ・スペースを持ったモデルだ。主にドイツと英国といったヨーロッパを中心に設計がなされたこのツアラーは、すこしばかりエキセントリックなスタイルをもつハッチバックよりも幾分ハンサムなスタイルを持っているのも特徴だ。
また、ハッチバックよりもアップグレードされた装備を持っている。それは、シティ・ブレーキ・システム、衝突防止装置、オートマティック・ヘッドランプ、レーン逸脱警告、交通標識認知、ブラインド・スポット警告などが含まれたドライバー・アシスタント・セーフティ・パックは£780(13万円)のオプションだ。これはエントリー・モデルのSを除けば、すべてのモデルに装着が可能だ。
また、ホンダはハッチバックで不評だったダッシュのデザインも変更した。アルミニウムの飾りがされたエアベント、艶消しブラックのフィニッシュ、ダブル・ステッチの入ったギアレバーとドライバーズ・ニー・パッドなどが、微妙ではあるが改善された点だ。
シビック・ツアラーの巨大なブート・スペースは実に印象的だ。スペア・タイヤがあるべきスペースも専有しており、そのサイズは1668ℓになる。スペースが確保されたのには、燃料タンクがフロント・シートの下に配置されているのも関係している。これによってブート・スペースはフラットで低いものが確保されているのだ。
また、リア・シートのクッションがフロント側をヒンジに上がり、背の高い荷物を積んだ時にドライバーを積み荷から守る仕組みがある。ホンダはこれをマジック・シートと呼んでいるこの仕組について、他のメーカーがこれを真似しないのが不思議だとコメントしている。更に、ブート・スペースの下には、スーツケース2つが収まるスペースもある。
ツアラー専用の装備としては、リアのサスペンションのアダプテック・ダンパーが、トップ2つのトリムには標準で、その他の2つのトリムには£550(9万円)のオプションとなる。
■どんな感じ?
シビック・ハッチバックから予想されるとおりのドライビング・フィールを持つ。ハンドリングは正確だが、フィーリングはいまいち頼りない。1.6ℓディーゼル・エンジンは、このクラスで最も滑らかとはいえないまでも、トルクフルなパワー・ユニットだ。
ノイズは良く抑えられており、クルージングも快適。高速での安定性も高い。これは、エアロダイナミクス的にフロントとリアのリフトが抑えられていることも関係している。
アダプティック・ダンパーは、コンフォート、ノーマル、スポーツの3つに切り替え可能だが、その差はどうにか識別できる程度だ。この手の装備はあまりツアラーのユーザーは求めていない。それよりもセルフ・レベリングの方が重要だ。
明らかにブート・スペースを重視した設計であるがゆえに、リアのクッションはフラット過ぎる。また、腿のサポートもプアだ。しかし、ヘッド・クリアランスはハッチバックよりも大きい。
■「買い」か?
他の何よりもブート・スペースを重視するのであれば、このシビック・ツアラーは「買い」だ。そのスペースはクラス・トップであり、マジック・シートも魅力的だ。しかも、Sで99g/km、SRでも104g/kmという低いCO2排出量を持っているのだから。
(リチャード・ブレムナー)
ホンダ・シビック・ツアラー1.6 i-DTEC SR
価格 | £25,560(431万円) |
最高速度 | 195km/h |
0-100km/h加速 | 10.1秒 |
燃費 | 25.6km/ℓ |
CO2排出量 | 103g/km |
乾燥重量 | 1377-1430kg |
エンジン | 直列4気筒1597ccターボ・ディーゼル |
最高出力 | 118ps/4000rpm |
最大トルク | 30.6kg-m/2000rpm |
ギアボックス | 6速マニュアル |