フォード・レンジャー 2.2 TDCi ダブルキャブ・リミテッド

公開 : 2012.05.23 10:00  更新 : 2017.05.29 18:55

■どんなクルマ?

フォード・レンジャーは、フォードの新しいピックアップ・トラックというよりも、フォードのニュー・モデルとして捉えるべきだろう。というのも、フォードはレンジャーを商用車としてではなく、新しいラインナップの1台として市場に送り出してきたからだ。

また、レンジャーは、ロード・ベースのピックアップという性格の強いフォルクスワーゲン・アマロックに対抗するモデルでもあり、「One Ford」戦略に基づく、世界的なプロダクション・モデルでもあるのだ。

直前のレンジャーはオーストラリアで開発が進められ、タイ、アルゼンチン、南アフリカで生産され、180カ国に輸出されてきた実績を持つ。

■どんな感じ?

われわれのテスト車両は、ミッドレンジのリミテッド・トリムをもつダブルキャビンだった。もちろん、英国で人気のワイルドトラック・バージョンもラインナップにはある。また、ベーシックな2WDのXLも、XL Tバージョンも用意される。

モンデオ、Sマックス、ギャラクシーに搭載される148bhpの4気筒2.2リッター・ターボ・ディーゼル・エンジンは、6速マニュアル(テスト車両はこちら)あるいは6速オートマティックと組み合わせられる。また、197bhpの5気筒3.2リッター・ターボ・ディーゼルも同じトランスミッションを選ぶことができる。123bhpの2.2リッター・エンジンもベーシック・バージョンに用意される。

その高い方のチューニングの2.2リッター・エンジンは、がっしりとしたパフォーマンスを発揮してくれる。その大きなボディ・ウエイトを動かすのに十分なトルクで、最大積載量の1333kgを積んでも十分な力があった。

ギアのパフォーマンスも良く、6速であってもスロットルの入力に応えてくれるだけのレスポンスがあった。但し、ギアボックス自体は乗用車というよりもトラックに近く、3速や5速のポジションに入れるには大きな動作を必要とした。

テストルートはバイエルンの森の、若干くねった道だったが、レンジャーは想像よりも遥かに素晴らしい運動性能を見せてくれた。決して素早くはないものの、予想以上に少ないロールと、アシストのないステアリングからのレスポンスが非常に良かったのだ。

高速道路の乗り味も素晴らしく、2000rpm前後で静かにエンジンは周り、風切り音もかなり大きなドアミラーを持つにもかかわらず少なかった。フォードはレンジャーがこのクラスではトップクラスのエアロダイナミクスを持つと主張しているのもうなずける。

室内は広々としている。もちろん、そのデザインのレベルは、フォードの主要な乗用車と同じではなく、その素材も贅沢ではないが、フォーカスのどのモデルよりも耐久性は高い。

ドライビング・ポジションは素晴らしく、ダブルキャブであっても路上をクリーンに見渡せすことができた。また、その乗り心地も、このピックアップとしては格別に良いということができる。リアが跳ねるようなことろもあったが、これは後ろに荷物を積むことが前提なのでいたしかがたないところだろう。

■「買い」か?

レンジャーには、フォルクスワーゲン・アマロック、日産ナバラ、トヨタハイラックス三菱L200といったライバルが存在する。しかし、レンジャーは、今までもそうであったように、その目的に忠実なクルマである。一般的な路上での乗り心地も良く、今まで以上によく設えられたインテリアを持つ。あなたが思っている以上に素晴らしいピックアップであることは間違いない。

(マーク・ティショー)

フォード・レンジャー 2.2 TDCi ダブルキャブ・リミテッド

価格 26,400ポンド(330万円)
最高速度 NA
0-100km/h加速 NA
燃費 NA
Co2排出量 NA
乾燥重量 NA
エンジン 4気筒2198ccディーゼル・ターボ
最高出力 148bhp/3700rpm
最大トルク 31.4kg-m/1500rpm
ギアボックス 6速マニュアル

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