【本物の能力と多彩な実用性】ランドローバー・ディスカバリーD300 小変更 マイルドHV
公開 : 2021.04.06 08:25
フェイスリフトを受けたランドローバー・ディスカバリー。上質さを高めた車内とオンロード性能、従来どおりの多彩な実用性を英国編集部は評価します。
もくじ
ーディフェンダーとレンジローバーのブレンド
ーシャシーの改良でオンロード性能を向上
ー電動スーパーチャージャーを採用
ー過度に気取らない多機能モデルの筆頭
ー自ずと選択肢のトップに浮上してくる
ーランドローバー・ディスカバリーD300 SE(欧州仕様)のスペック
ディフェンダーとレンジローバーのブレンド
1989年、三菱パジェロなどの新興勢力へ対抗するためにランドローバーが発表したのが、ディスカバリー。秀でた走行性能だけでなく、文化的な走り味で多くの人に好まれてきた。
ディスカバリーが5代目へと進化しても、基本コンセプトは変わらない。初代から熟成を重ねてきた、オリジナルのレシピで成り立っている。シリアスなディフェンダーと、ラグジュアリーなレンジローバーとがブレンドされている。
オフロードでは舌を巻く走破性を披露しつつ、高速道路での長距離移動も幸せにこなせる。上級な仕立てながら、豪華すぎない。レンジローバー・ヴェラールやレンジローバー・スポーツより手頃な価格も、合理的に考えるドライバーには魅力のはず。
そんなディスカバリーの長年のポジションは、一新され若返ったディフェンダーによって歪められてしまった。走行性能に磨きがかけられ、乗りやすいモデルになった。
ディスカバリーやレンジローバーが採用する、D7と呼ばれるアルミニウム製のモノコック構造を、ディフェンダーも強化して獲得。オンロードマナーが大幅に改善され、インテリアも一気に高級感を高めている。
ディスカバリーの居場所は狭くなった。2021年に施されたフェイスリフトは、そんな立ち位置を再確立することが目指されている。ライバルは、ボルボXC90やアウディQ7、メルセデス・ベンツGLEといった都会派のモデルだ。
シャシーの改良でオンロード性能を向上
改良点を見ていくと、新しいエアサスペンションにアンチロールバー、調整を受けたダンパーやステアリングラックなどを獲得し、オンロードでの正確な操縦性を磨いている。もちろん、本来のオフロード性能を犠牲にすることなく。
5代目ディスカバリーは、最初から都市部に近づきにくいクルマではなかった。だがシャシーのアップデートで、舗装路での質感は従来以上に高められている。
さらにテレイン・レスポンス2のモードに関わらず、リアとセンターのデフロック特性と車高をドライバーが調整できるように変更。悪路での走破性も向上したといえるだろう。
ダッシュボードで存在感を放つ11.4インチのタッチモニターを介して、デフロックの状況をリアルタイムで確認できるようにもなった。その変化を見るだけでも楽しい。
ボディのアプローチ(フロント)、ブレークオーバー(前後タイヤ間)、デパーチャー(リア)の各アングルは、クラスをリード。ブレーキ付きなら、3500kgまでのトレーラーを牽引できる。基本性能も高いままだ。
インテリアは、フェイスリフトでピヴィ・プロと呼ばれるインフォテインメント・システムを獲得。緩やかにカーブを描くタッチモニターが、車内全体の雰囲気を引き上げている。リアシートは快適性を高めるべく形状が改められた。
ステアリングホイールは、レンジローバーと似たデザインだったがものが、ディフェンダー由来のものに変更されたようだ。すっきりしたセンターコンソール周りは、ラバーコーティングされたプラスティック製パネルで覆われる。