【欧州市場での強い存在感】フォルクスワーゲンID.4へ試乗 航続距離498km 可能性を表明
公開 : 2021.04.13 08:25 更新 : 2021.05.18 16:23
英国でも本格的に販売が始まったフォルクスワーゲンの電気自動車、ID.4。純EVのリリースを積極的に進めるブランドとして、確かな可能性を英国編集部は感じたようです。
もくじ
ー2030年までにVWの売る70%を純EVに
ー203psの電気モーターと77kWhのバッテリー
ーシンプルで特別なリラックスできる空間
ー感覚的に運転できる電気自動車
ーフォルクワーゲンID.4 ファースト・エディション・プロ・パフォーマンス(英国仕様)のスペック
2030年までにVWの売る70%を純EVに
見ることを避けてきた現実を知るように、フォルクスワーゲンID.4への初試乗は恐怖心半分のドキドキ体験だ。大げさに聞こえるかもしれないが、本当のこと。
ID.4は、フォルクスワーゲンが掲げる電気自動車のサブブランド、ID.に属する2番目のモデル。ID.3との共通性を感じるデザインが与えられた、背の高いクロスオーバーだ。
純EVのクロスオーバーは、既に複数種が英国でリリースされている。フォードやヒュンダイのほか、レクサスやプジョーからも。
では、なぜそんなにドキドキするのか。理由は、今回試乗したフォルクスワーゲンID.4が、今後10年ほどの英国を含む欧州市場で、どんな純EVより強い存在感を示すだろうと予想できるから。
ボディサイズは、ボルボXC60よりひと回り小さい。見た目は、人気のクロスオーバー感にあふれている。伝統と定評のある、フォルクスワーゲンからのクルマでもある。
さらにフォルクスワーゲンが純EVに掲げる野心は、ほかのどのメーカーよりも強い。2028年までに70種の電気自動車を計画し、2030年までにフォルクスワーゲンが売るクルマの70%を純EVにすると発表している。その可能性は巨大なものだ。
ID.4の内容が優れているなら、ID.ブランドの可能性も予見できる。ディーゼルエンジンの不正問題で汚れたイメージを、挽回することにもつながる。
203psの電気モーターと77kWhのバッテリー
ID.4の見た目は好みが分かれると思うが、カーブを描くボディの内側にあるハードウエアは、ID.3と同じMEBプラットフォーム。ホイールベースとトレッドを広げた程度の違だという。
そう遠くない未来に、アウディからもQ4 eトロンというMEBを採用したモデルが登場する。スコダなど、ほかのフォルクスワーゲン・グループも続くだろう。
現在英国で正規に購入できるID.4は、今回試乗したファースト・エディションのプロ・パフォーマンスのみ。203psの電気モーターをリアに載せ、77kWhのリチウムイオン・バッテリーをフロアに搭載する。
航続距離は498kmがうたわれ、0-100km/h加速は8.5秒でこなす。148psか170psの電気モーターと、52kWhのバッテリーを載せたID.4も、2021年末には英国へ導入される見込み。
フロント側にもう1基の電気モーターを載せ、300馬力以上を発揮する四輪駆動のID.4 GTXも計画中。クーペボディのID.5も控えている。
インテリアは、ボディのデザイン以上に従来のフォルクスワーゲンとは一線を画す。ダッシュボードのエリア分けは、基本的にはゴルフと通じるものがあるが、デザインはミニマリズム。ID.3と同様に。
ボタンやスイッチと呼べる部品は、ほとんど見当たらない。ティグアンから直接乗り換えると、衝撃を受けるほど。