【次世代フラッグシップの中身は?】ランボルギーニ アヴェンタドール後継にV12ハイブリッド搭載か 2022年発表予定
公開 : 2021.03.30 18:05
ランボルギーニは、ハイブリッドシステムを搭載した次期フラッグシップモデルを2022年に発表する予定です。
完全EV化に向けた最初のステップ
ランボルギーニは、アヴェンタドールの後継モデルを2022年に発表する準備を進めている。先代モデルとは異なり、EV時代に向けてブランドを「再構築」するための最初のステップとして、ハイブリッド・パワートレインを搭載する。
ランボルギーニの新しいフラッグシップマシンとして今年中に公開される予定で、SUVのウルスのプラグイン・ハイブリッド仕様が登場した直後に販売が開始される見込みだ。ランボルギーニの伝説的な6.0L V12エンジンを搭載する最後の量産車となる予定で、電動パワーを採用する可能性が高い。
新型コロナウイルスの流行を乗り越え、ランボルギーニは2020年に史上2番目の好業績を達成した。アウディ・スポーツやブガッティでの経験を経て、最近ランボルギーニのCEOに就任したステファン・ヴィンケルマンは、2021年は「次のレベルに向けてプッシュし始める」前の「安定化の時期」であるとAUTOCARに語った。
ヴィンケルマンは、電動化がランボルギーニにとって何を意味するのか、「明確なビジョン」を描くことが重要な課題だと述べている。
「わたし達は、ランボルギーニを再構築することでランボルギーニであり続けるため、何も変わらないようにすべてを変えなければなりません」
ヴィンケルマンは、今年の最初の注目点はウラカン・スーパートロフェオ・オモロガータ(STO)の市場投入であるとしながらも、2021年には2台の新しいV12マシンが公開されることを示唆した。
ヴィンケルマンは、これらのモデルの具体的な詳細については言及しなかったが、情報筋によれば、1つは最高出力819psのシアンFKP 37と同様のスーパーキャパシタ技術を使用したアヴェンタドールベースの最終スペシャルモデルであり、もう1つは、アヴェンタドールの後継モデルとなる可能性がある。
ニーズに合ったハイブリッド技術
次世代のV12フラッグシップは何度も延期されてきたが、主な理由は、ランボルギーニがスーパーカーのニーズとキャラクターに合ったハイブリッド技術の開発を推し進めているためである。
「課題は、今後数年間の顧客の期待を薄めることなく、いかに要望にマッチさせるかということです」とヴィンケルマンは言う。「これが今、わたし達が取り組んでいることです」
ランボルギーニの技術責任者であるマウリツィオ・レッジャーニは、アヴェンタドールの後継モデルでは自然吸気V12エンジンを搭載し、パワーと効率を向上させるためにハイブリッド技術を導入することを以前に明かしている。
また、フェラーリSF90のような4輪駆動システムを検討していることも示唆している。V12が後輪を、電気モーターが前輪を駆動し、トルクベクタリングでパワーバランスをとるというものだ。
ランボルギーニは、大型ハイブリッドシステムによる重量増と、それに伴うパフォーマンスへの影響を懸念しており、リチウムイオンバッテリーとスーパーキャパシタを組み合わせたシステムを研究していると考えられている。
ランボルギーニは、マサチューセッツ工科大学と共同で開発したスーパーキャパシタ技術に多額の投資を行ってきた。モデルの特性を維持しながら、ますます厳しくなる排出ガス規制に対応するためだ。
シアンでは、V12エンジンは785psにチューニングされているが、トランスミッションに組み込まれたスーパーキャパシタにより33psを追加することができる。このシステムの重量は34kgで、従来のハイブリッド車と比べて大幅に軽い。しかし、スーパーキャパシタは同サイズのリチウムイオンバッテリーよりも多くの電力を蓄えることができるが、急速な充放電しかできないため、電気のみの走行ができず、排出ガスの削減効果も限定的だ。
ヴィンケルマンは次のように述べている。
「シアンは成功例です。わたし達は、スーパースポーツカーのオーナーにメリットを与えることで、電動化モデルを売らなければならないことを理解していたからです。このアプローチは、わたし達が将来やろうとしていることへの小さな一歩にすぎません」
次世代モデルの技術的詳細は明らかにされていないが、シアンの819psに近いパワーを発揮することになりそうだ。