【クルマ用アプリの活用】ボルボXC40 リチャージT5(2) バッテリー量で変わる燃費 長期テスト
公開 : 2021.04.10 09:45 更新 : 2021.07.12 18:55
英国編集部でも人気のボルボXC40。そのPHEVはさらに良いのか、未来の自動車産業を担う技術はドライバーにも適しているのか、長期テストで確かめます。
積算2117km フォルクスワーゲンとのアライアンス
アライアンスという言葉が一般化している。英国では、フォルクスワーゲンによる新しいアライアンスも始まっている。プラグイン・ハイブリッド(PHEV)のボルボXC40にもメリットのある内容だ。
フォルクスワーゲンは、英国でスーパーマーケットなどを展開するテスコ社と提携し、無料のEV充電スポットの拡充を進めている。ありがたいことに、ボルボも利用できる。
ただし充電速度には制限があり、30分間の充電で得られた電気は、1.6kWhだけだった。テスコの掲げるスローガンに期待していたのだけれど。
積算2762km スマートフォンのアプリ
あらゆる場所にデータが記録される時代。熱心なアマチュアランナーならスマートウォッチを身に着けて、その日のランニングデータを確認できる。ペースや歩幅、心拍数などを調べて、タイムを伸ばすことも可能だろう。
ただ速く走れば良い、というだけではない。恐らく。
ボルボXC40 リチャージT5の長期テストを担当している筆者も、クルマのデータ確認のために、ボルボ・オンコールというスマートフォン・アプリをインストールした。クルマ版の、ガーミンコネクトといったところだ。
従来的なエンジン車に乗っている場合、自動車メーカーが提供するスマートフォン・アプリは、ちょっとしたオマケ機能を提供してくれる程度。だがPHEVのXC40の場合、面白いデータを見ることができる。
駆動用バッテリーの充電量で変わる燃費
規約に同意すれば、アプリのドライビング・ジャーナル機能が、XC40での移動をすべて記録してくれる。データを活用することで、PHEVのメリットを最大限に引き出すことも可能になる。
最近筆者は、約30kmの距離をXC40で移動した。はじめ駆動用バッテリーは満充電に近い状態だったため、ほぼ電気の力だけで目的地まで走ることができた。
往路で使用したガソリンは、0.4L。使用した電気は、6.1kWh。回生ブレーキで得られた0.5kWhぶんも含まれる。その結果、燃費は58.3km/Lにまで伸びた。
復路は、フォルクスワーゲンが出資する充電器があるスーパーマーケットへ買い物に寄る計画を立てていた。少量でも、タダで充電できる。
ところが3か所ある充電器は、テスラとゴルフGTEでふさがっていた。残念なことに、帰りは2.2Lのガソリンを燃やすことになった。駆動用に利用できた電気は0.8kWhに留まり、得られた燃費は11.9km/Lだ。
当たり前のことではある。ガソリンを燃やせば、それだけ燃費は悪くなる。でもデータを確認することで、PHEVを適切に使用することで得られるエネルギー効率のメリットを理解しやすい。