【趣味と実益の高バランス】ジャガーXF スポーツブレークP250へ試乗 小変更 2.0Lターボ

公開 : 2021.04.15 08:25

マイナーチェンジを受けたジャガーXF スポーツブレーク。上級ステーションワゴンとしての競争力はまだ充分高いと、英国編集部は評価します。

実用性と動的性能、操縦性の高バランス

text:Steve Cropley(スティーブ・クロップリー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
近年、ステーションワゴンの存在感は下降傾向といわれる。世界中の人がSUVの方を向きはじめ、特にクロスオーバーが選ばれるようになってきた。しかし実際のところ、4ドアサルーンに影響が出ているといった方が正しいだろう。

今回試乗するジャガーXFでも、ステーションワゴンのスポーツブレークが占める割合は、まだ3分の1程度もある。XFの販売台数の規模は、控えめなものだが。

ジャガーXF スポーツブレークP250 Rダイナミック SE(英国仕様)
ジャガーXF スポーツブレークP250 Rダイナミック SE(英国仕様)

理論的な考えで、ステーションワゴンを支持する人も少なくない。フロントシートが広くなるわけではないものの、実用性は4ドアサルーンより有利。車重は増えるが、ルーフラインが伸びたフォルムの影響で空力性能が改善されることもある。

消費する燃料はほぼ変わらず、より多くの荷物を運べる。確かにXFの場合も車重は75kg増えているが、リアシートを起こした状態の荷室容量は565L。リアシートを畳めば1700Lにまで拡大できる。

広く平坦なフロアが生み出す空間は、驚くほど広い。SUVのように高いルーフラインがないだけだ。そのかわり重心高は低く、多くの場合はSUVより操縦性に優れる。燃費でも勝ることが多い。

そんなステーションワゴンらしい実用性と動的性能、優れたドライビング特性を高次元でバランスした好例が、今回の試乗車、ジャガーXF スポーツブレークといえる。スタイリングも良い。

エンジンは、ジャガー・ランドローバー製のインジニウム2.0L 4気筒ガソリンターボを搭載。最高出力250psを発揮し、定番の8速ATを介して後輪を駆動する。

楽しい走りに同乗者もうれしい車内

試乗車のXFはRダイナミック SEというグレードで、見た目はかなりスポーティ。アルミホイールは19インチだ。

エンジンやトランスミッションの制御を調整するドライブモードもあり、エコノミーからコンフォート、スポーツへと切り替えられる。家族やレジャーアイテムと一緒の、週末の小旅行にも理想的。時には、週末の早朝に走りを楽しむこともできる。

ジャガーXF スポーツブレークP250 Rダイナミック SE(英国仕様)
ジャガーXF スポーツブレークP250 Rダイナミック SE(英国仕様)

一新したインテリアは、同乗者にもうれしい。シートや内装パネルに用いられる素材は上質で、特別なオーラさえ感じる。ピヴィ・プロと呼ばれるインフォテインメント・システムも、従来よりはるかに扱いやすくなった。クラストップといえるほど。

ダッシュボード下部には、エアコンやオーディオ用のボリュームノブも残っている。見つけやすく使いやすく、デザインも整頓されていて、評価したいポイントだ。

2.0Lの4気筒ターボエンジンは、不満ないほどに滑らかで反応が良い。ドイツ勢が提供する直列6気筒のクリーミーな味わいのような、個性は薄いのだけれど。

トランスミッションは全般的にスムーズ。低速域では、たまに変速を躊躇する場面も見られる。しかしシフトパドルを操作すれば、素早く応答してくれる。

ジャガーXF スポーツブレークは、安楽で流れるように走るというのが全体の印象。エンジンの存在をほとんど感じさせないほどに流暢だ。

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