【GTの名にふさわしいのは?】最高のグランドツアラー 10選 走る楽しさと快適性の融合
公開 : 2021.04.05 21:45
2. BMW M550i xドライブ
このモデルはドラマチックなルーフラインなどを持たず、他に比べてやや古風なセダンスタイルではあるものの、第2位の座に十分に値するモデルだ。
M5は長年にわたって、筋金入りのドライバーのためのマシンとなってきたが、日常のドライブにはアグレッシブ過ぎて、タッチもやや固めだ。M5 CSというスパイスの効いたモデルに至っては特にそう感じる。
M550i xドライブでは、快適さと刺激の両立を見事に実現している。
4.4L V8ツインターボエンジンは537psと750Nmを発揮し、静止状態から4.0秒未満で100km/hに達する。つまり、とても速いのだ。また、BMWならではの魅力的なハンドリングも実現している。一方で、エアサスペンション(オプション)やレザーをふんだんに使用した豪華なインテリアにより、その圧倒的な速さにはMモデルにない快適性が備わっているのだ。
M550i xドライブは、速くて楽しいBMWであることに変わりはないが、国境の端から端まで快適にドライブしたいと思うようなクルマでもある。
3. メルセデス・ベンツCLS
クーペスタイルセダンの始まりについては議論の余地があるが、2004年に登場した初代CLSは先駆者の1つであり、メルセデスがこのデザインを普及させるために努力を重ねてきたことに間違いはない。
そのようなクルマが偉大なGTとなる理由は簡単だ。大人が座れるシートを4つ装備し、4枚のドアから簡単に乗り降りできることもその理由の1つ。第3世代の現行CLSは、実用性の面では他の2+2よりもはるかに優れている。
CLSは、初代ほどルックスが良くなることはなかったが、第2世代のややぎこちないスタイルはもはや過去のものとなり、テクノロジーが詰め込まれた革張りのキャビンは、現在ほど魅力的なものになったことはない。
エンジンは4気筒または6気筒ガソリンターボと6気筒ディーゼルターボの2種類が用意されており、4輪駆動のCLS 53は、火を噴くようなV8エンジンを搭載したCLS 63に代わって、AMGに異色のフレーバーをもたらしている。シャシーもうまく調整されているが、ランフラットタイヤを履いた大径ホイール装着モデルは、ロールの洗練度に悩まされることがある。
4. BMW 8シリーズ・グランクーペ
初代E31世代のBMW 8シリーズが廃止されてから最新モデルが登場するまでには、約20年の空白期間があった。最新のグランクーペは初代の先鋭的なオーラを持っているわけではないが、BMWのトレードマークであるドライバビリティと、トップレベルの快適性、そして驚くほど贅沢なインテリアを兼ね備えた、ステータスと存在感のあるものとなっている。
また、アウディA7やメルセデスCLSに対抗するために、4ドアのグランクーペも用意されている。ガソリンとディーゼルから選択可能で、後者はBMWの直列6気筒ディーゼルツインターボを搭載しており、320psを発揮する。さらに上位のM850iには、530psのV8ガソリンターボが用意されており、ラインナップのトップを飾るのが、625psの4.4Lツインターボを搭載したM8コンペティションである。
(メルセデスやアウディのエアサスとは異なり)スチール製のサスペンションを採用しているが、このクラスのライバルと比較しても、ダイナミックなドライビングを実現している。さらに、M850iを選べば、4輪駆動だけでなく、4輪ステアリングとアクティブ・アンチロール・コントロール・サスペンションを備えたクルマを手に入れることができる。