【GTの名にふさわしいのは?】最高のグランドツアラー 10選 走る楽しさと快適性の融合
公開 : 2021.04.05 21:45
5. メルセデス・ベンツEクラス・クーペ/カブリオレ
Eクラス・クーペには、ゴルフコースの香りが漂っている。ドライバーを夢中にさせることよりも、穏やかで孤立した快適さを求める大人向けの、洗練されたハンサムな2ドア車だ。
2020年にアップデートされ、内側も外側も、以前よりもさらに見栄えが良くなっている。風通しの良いキャビンには、メルセデス最新のインフォテインメント技術とスマートに調和した、豪華でリッチな素材を使用しており、レザー張りの大型シートは長距離走行でも快適性に優れている。
エンジンラインナップは、これまでとほとんど変わらない。4気筒ガソリンとディーゼルがエントリーポイントとなっているが、このクルマに最も適しているのは、より大きな6気筒ガソリンだ。4輪駆動のE 450は直進安定性に優れ、並外れた乗り心地で、非常にスムーズな操作性を実現している。
もう少しダイナミックな動きが欲しいという人は、AMGのE 53の方が好みに合うだろう。E 450よりも魅力的なドライブができるのは確かだが、とはいえ、お気に入りのワインディングロードで白熱したドライブをするよりも、高速道路での長距離移動に適したクルマであることに変わりはない。
6. テスラ・モデルS
最高の長距離ツアラーを表彰するリストに含めるに値するEVがあるとすれば、それは間違いなくテスラ・モデルSである。最新のロングレンジモデルでは、1回の充電で640km以上走行できると言われている。スーパーチャージャーのネットワークを利用して、非常に高速で信頼性の高い充電が可能なので、航続距離の不安は問題ではなくなる。
もちろん、モデルSは直線でも速い。上位モデルのプレイドは、3基の電気モーターから1000ps以上のパワーを発生させ、静止状態から2.0秒未満で100km/hに達すると言われている。それは実際に試乗したときにぜひ確認したいところだが、低出力モデルでさえも加速力はすごい。
ダイナミクス的には、モデルSは大きくて重いクルマと感じられる。グリップの限界を試すようなハードなプッシュをしなくても、落ち着いて走れば、速くて快適な長距離ツアラーになる。空気の中を流れるような乗り心地の柔らかさは、高速道路では優れたクルーザーとして認識させてくれるが、起伏のある道では、ちょっと浮いているように感じることもある。
インテリアデザインに関しては、ミニマリズムの代名詞となっている。物理的なコントロールはまばらで、クルマの機能の大部分は、ステアリングホイール上の小さなボタンまたは巨大なタッチスクリーンを介してコントロールできる。
モデルSで使われる素材の品質は長年にわたって改善されているが、まだ欧州の高級車ブランドのそれには敵わない。製造品質は、地域によって多少異なることも知られている。