【GTの名にふさわしいのは?】最高のグランドツアラー 10選 走る楽しさと快適性の融合
公開 : 2021.04.05 21:45
7. キア・スティンガーGT S
キアは、デザイン哲学を刷新すべくピーター・シュレーヤーを雇って以来、ルックスの面で良好な軌跡を歩んできたが、欧州のトップエンジニアの才能も獲得したことで、見た目を裏切らない走りを見せるようになっている。
それはスティンガーGT Sにもあてはまる。370psの3.3L V6ツインターボと後輪駆動のファストバックスタイルを採用し、これまでBMWとジャガーの一部のセダンでしか味わえなかった、満足のいくステアリングフィールとバランスを備えたクルマに仕上がっている。
2021年モデルのリフレッシュでは、新しいインフォテインメントシステムが導入されたほか、インテリアの素材も変更された。まだアウディA7ほど洗練されてはいないが、快適で、しなやかな乗り心地のおかげで長距離走行に適したツアラーとなっている。キャビンは広々としていて、4万2595ポンド(643万円)という価格もお買い得感がある。
8. アウディA7スポーツバック
アウディは、メルセデスCLSを模して、高級セダンとGTカーを組み合わせたコンセプトに熱狂し、A5とA7の5ドアスポーツバックの派生モデルを発売した。どちらもフルモデルチェンジを迎えるほどの人気を獲得したが、今回AUTOCARが選んだのは2018年にリニューアルされたA7の方だ。
第2世代のA7は、先代モデルと比較して全長はわずかに縮小したが、ホイールベースの延長とともに実用性は改善され、後部座席のスペースに不満を抱くのは背の高い大人だけとなった。中央のワイドスクリーン・ディスプレイの使い勝手は良くないかもしれないが、このクルマのラグジュアリーな移動手段としての資質は文句のつけようがない。
素材の質は素晴らしく、キャビンの洗練度は非常に高い。リフトバックスタイルのトランクリッドにより、同クラスのライバルよりもトランクの使い勝手が高い。
A7のドライビング・エクスペリエンスは、今日の典型的なアウディそのものだ。特筆すべきは乗り心地だが、一部の路面ではスムーズさに欠け、歯切れが悪いと感じることがある。英国では、エンジンは2種類のV6ディーゼルと340psのV6ガソリンターボから選ぶことができるが、AUTOCARは前者のパワフルな方を選ぶ。また、600psのRS7スポーツバックも用意されている。
9. レクサスLC
走りに熱心なドライバーであれば、LCを推したくなるだろう。500モデルにはカリスマ的なV8エンジンが搭載されており、バランスのとれた軽快なハンドリングは、時にメルセデスSクラス・クーペよりもジャガーFタイプやポルシェ911の方が自然なライバルだと感じさせる。
このクルマは大きくて、重くて、鈍重だと感じることもある。グランドツアラーとしては、積載スペースのなさ、後部座席の使いづらさ、ランフラットタイヤで劣化する乗り心地なども、LCにおけるウィークポイントだ。
結局のところ、長所に感動するか、短所に不満を抱くかで評価は二極化するだろう。しかし、ドライバーズカーが好きで、ハイブリッド仕様を避けるなら、きっと気に入るはずだ。