【歓迎したい7シーターSUV】トヨタ・ハイランダー・ハイブリッドへ英国試乗 247psの四輪駆動

公開 : 2021.04.16 08:25

滑らかなハイブリッドにAWD-i

一方トヨタは、長距離走行する機会が多い大型SUVの場合、PHEVよりも適していると考えている。少なくとも、2.5Lエンジンと電気モーターとの組み合わせで充分な動力源にはなっている。

ハイランダー・ハイブリッドの場合、AWD-iと呼ばれる駆動システムを採用し、デフォルトでは前輪駆動。必要に応じて、リアモーターの駆動力と組み合わせて最大80%まで、リアタイヤに駆動力を分配してくれる。

トヨタ・ハイランダー 2.5 VVT-iハイブリッドAWD-i エクセル・プレミアム(英国仕様)
トヨタ・ハイランダー 2.5 VVT-iハイブリッドAWD-i エクセル・プレミアム(英国仕様)

カタログ燃費は13.9km/Lから14.1km/Lがうたわれるが、今回の複合的な運転条件での平均燃費は約12.5km/Lだった。CO2の排出量は、160g/kmから163g/kmとされる。

ハイブリッドの経験が長いトヨタだけあって、エンジンとモーターの共同作業はとても知的で滑らか。電気モーターが発進時からアシストし、加速力もかなり力強い。

停まった状態からうっかり右足に力を込めすぎると、ホイールスピンすることも。エンジンも始動し、電気モーターだけでの発進より上質さが霞んでしまう。

トランスミッションはe-CVTで、ダイレクトさの乏しいラバーバンド感は否めない。加速中は、不意に大きなノイズが聞こえてくることもある。

速度が一旦落ち着いてしまえば、高速でも巡航は安楽。短時間とはいえ、最大140km/hの速度まで電気モーターで加速でき、洗練さも味わえる。

基本的にハイランダー・ハイブリッドのドライビング体験は、ダイナミックさを感じたり、惹き込まれるようなものとはいえないだろう。予想通り。

大型SUVの検討候補に加えたい

荒れていない路面であれば乗り心地は滑らかで、リラックスして運転できる。サスペンションは適度に柔らかく、路面の不整を吸収してくれ、余計な揺れが残ることもない。7シーターのSUVらしく、穏やかで快適な走りに焦点が向けられている。

現在、7シーターのSUVで選べるハイブリッド・モデルはさほど多くない。その点でトヨタ・ハイランダー・ハイブリッドは強みを備えている。

トヨタ・ハイランダー 2.5 VVT-iハイブリッドAWD-i エクセル・プレミアム(英国仕様)
トヨタ・ハイランダー 2.5 VVT-iハイブリッドAWD-i エクセル・プレミアム(英国仕様)

ライバルとなる7シーター勢と比べても、パワーで劣ることはなく装備は充実している。英国ではPHEVが得られる税制的な優遇はないし、洗練度では多少劣るものの、そのぶんハイランダーの価格は安い。

広々とした車内を備える実用的な大型SUVをお探しなら、トヨタ・ハイランダー・ハイブリッドは間違いなく検討候補に加えたい1台だ。トヨタは、英国でのモデルラインナップを充実させている。歓迎したいモデルが、さらに増えたといえるだろう。

トヨタ・ハイランダー 2.5 VVT-iハイブリッドAWD-i エクセル・プレミアム(英国仕様)のスペック

英国価格:5万2575ポンド(788万円)
全長:4950mm
全幅:1930mm
全高:1730mm
最高速度:178km/h
0-100km/h加速:8.3秒
燃費:13.9-14.1km/L
CO2排出量:160-163g/km
車両重量:2050kg
パワートレイン:直列4気筒2487cc自然吸気+ツイン電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:247ps(システム総合)
最大トルク:24.2g-m(エンジン)/12.2kg-m(電気モーター)
ギアボックス:CVT

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事