【詳細データテスト】フォルクスワーゲンID.3 広いが質感不足の室内 過不足ない走り 総じて満足

公開 : 2021.04.11 20:25  更新 : 2021.05.01 16:07

内装 ★★★★★★★★☆☆

広く、まさに流行のミニマリスト的なデザインとレイアウトを採るID.3のキャビンだが、この25年ほどでフォルクスワーゲンの典型となった高い質感の水準には達していない。

ダッシュボードやドアに用いられるプラスティックは、驚くほど硬くプレーンな感じで、テスト車のそれはさまざまな色合いのグレーで仕上げられている。

近年のフォルクスワーゲンとしてはかなりシンプルなインテリアで、マテリアルの質感はあまり高くない。スペース効率には優れ、居住空間も収納部も十分にある。
近年のフォルクスワーゲンとしてはかなりシンプルなインテリアで、マテリアルの質感はあまり高くない。スペース効率には優れ、居住空間も収納部も十分にある。    LUC LACEY

センターコンソールにわずかながらみられる艶やかな黒のプラスティックや、ドアトリムに張られたファブリックを別にすれば、テスト車のインテリアはやや見栄えがダルいだけでなく、手触りも比較的つまらない。

オプションのカラーリングは多く、白いステアリングホイールやメーターパネル、オレンジのパネルなども選べるが、それでもプレーンでモノトーンのマテリアルで占められた室内にリッチさをもたらすほどではない。

機能面からみると、かなりよくできている。前席スペースには開放感がある。これは低く、雑然としたところがまったくないセンターコンソールの貢献するところが大きい。セレクターレバーやハンドブレーキレバーに場所を取られることもない。

その代わりに左右シートの間には小物入れとドリンクホルダーが用意され、ポケットに入れておいたらこぼれ落ちそうな携帯電話や財布、キーなどのもろもろはここに収めることができる。トランスミッションのセレクターは、メーターディスプレイの横に設置されている。BMW i3のようなスタイルだ。

ゴルフや、キアe-ニロなどの競合車よりホイールベースが長いので、後席も非常に広々している。レッグルームの実測値は760mmもあるが、これはe-ニロを10mm上回り、BMW3シリーズ・ツーリングへあと10mmに迫る。ヘッドルームは940mmと、そこまで余裕たっぷりではないが、平均的な体格の大人なら、長身のドライバーの後ろでも快適に過ごせるはずだ。

後席使用時の荷室容量は385Lで、ゴルフと同等だが、e-ニロの451Lには及ばない。フロアはフラットだが、開口部にそこそこ大きい段差がある。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事