【航続距離482km】ヒュンダイ・コナ・エレクトリック 64kWhへ試乗 新鮮味を維持
公開 : 2021.04.19 08:25
ヒュンダイの純EVクロスオーバー、コナ・エレクトリック。航続距離の長さが自慢ですが、英国の補助金対象からは外れてしまいました。英国編集部の評価です。
英国では純EV向け補助金の対象外に
英国政府は電気自動車に付与される補助金の対象を、3万5000ポンド(525万円)以下のクルマへ限定した。多くの自動車メーカーに向かい風となっているが、ヒュンダイへの影響も小さくない。
エントリーグレードのコナ・エレクトリックは補助金対象のままだが、航続距離の長いグレードは対象から外れてしまった。その結果、ユーザーが支払う金額には大きな差が生まれている。
64kWhのバッテリーを積むアルティメットの英国価格は、4万375ポンド(605万円)。フォード・マスタング・マッハEやフォルクスワーゲンID.4など、競争の激しい価格帯に含まれる。
この時期のフェイスリフトは、良いタイミングだといえるだろう。安全運転支援システムなど車載技術がアップグレードされたと同時に、見た目もドラマチックに一新した。
リフレッシュ前でもコナ・エレクトリックの見た目は、内燃エンジンを積んだコナと見間違えられることはなかった。フェイスリフトではテスラ・モデル3のような滑らかなフロントノーズを獲得し、一層の差別化が図られている。
ヘッドライトとLEDのデイライトのデザインも新しくなっている。こちらは、通常のコナと共通なようだ。
駆動用のAC同期モーターに変更はない。203psと40.1kg-mを発生し、シングルスピードのリダクションギアを介して前輪を駆動する。バッテリー容量は64kWhあり、航続距離は最大482km。DC急速充電器は、100kWの容量にまで対応する。
ホットハッチに並ぶ鋭い加速力
コナのボディサイズは4205mmと、現在の純EVクロスオーバーとしては小さい方。車内空間は必要十分といったところで、荷室も広いわけではない。
インテリアを眺めると、硬質なプラスティック製部品があちこちに見られる。とはいえ、メーターパネルもモニター式となり、センターモニターは10.25インチへ大型化。最新のライバルへハイテク感では歩調を合わせている。
インフォテインメント・システムのインターフェイスは、従来より鮮明になり扱いやすい。アップル・カープレイとアンドロイド・オートにも対応するが、独自のシステムでも不便は感じないと思う。
試乗したコナ・エレクトリックは、最上級トリムグレードのアルティメット。サンルーフにヘッドアップ・ディスプレイ、レザー張りのパワーシートなどが付いてくる。シートヒーターは、後席にも内蔵される。
2018年の発表当時、車内空間は薄暗くて面白みに欠けると感じた。でもサンルーフがあるおかげで、ずっと明るさが増している。
観察はこのくらいにしておこう。運転して驚かされるのが、クロスオーバーとしては鋭い加速力。高速道路の速度域まで、ホットハッチに並ぶ勢いでスピードを乗せていく。
アクセルペダルを不用意に踏み込むと、発進時にフロントタイヤがホイールスピンしてしまう。フェイスリフト前より穏やかになった様子だが。
ステアリングホイールに付いたパドルで強さを変えられる回生ブレーキは、筆者が経験した純EVの中では最高の水準。素早く3段階から切り替えられる。惰性走行も可能だ。