【デザインも大きく変わる?】ミニ 2030年までに全モデルEV化 トラベラー、マイナーの名も
公開 : 2021.04.12 18:05
現在のデザイン路線から脱却
現在、BMWが目指しているのは現行のミニシリーズを刷新することであり、このプロセスは2023年の初めに開始される見込みだ。3ドア、5ドア、クラブマンの後継モデルは、内外装のデザインと、パッケージングのさらなる改善が期待される。
ミニのデザインチーフであるオリバー・ハイルマーは、最近のインタビューで、次世代のミニが新しいプラットフォームをベースにしていることを明らかにした。FAARと名付けられたこのプラットフォームは、BMWの前輪駆動車に使用され、ICE車、プラグイン・ハイブリッド車、完全EVの各パワートレインに適応する予定だ。
ハイルマーは、現在のミニのデザイン路線から脱却し、過去20年間で失われたオリジナルのミニのシンプルさを取り戻すことを目指していると述べている。第4世代となる次期ミニの最重要課題の1つとして、フロントオーバーハングの縮小が挙げられている。これは、ミニのノーズを短くするために、衝撃吸収材として発泡スチロールを使用するという革新的な手法を含む、大規模なデザイン・オーバーホールの要となるものだ。
最近のインタビューで、ハイルマーは「ミニのデザインをできるだけ減らしたい」と語っている。
「わたし達は常に1959年のミニを振り返っています。何が装飾的で、何を取り除くことができるかを考えているのです」
彼はまた、3ドアのミニがそのデザインのルーツから大きく外れることはないと示唆している。例えば、丸いヘッドライトなどの要素は残るが、次期カントリーマンにはまったく異なるアプローチが必要になるという。
トグルスイッチも廃止の可能性
ハイルマーは2019年12月、AUTOCARに対し、現在のクラムシェル・ボンネットのデザインは存続しない可能性があり、トグルスイッチなどの長年続いているディテールについても再検討していると語った。また、現在の重厚なドーム型のサイドはやめて、スペースを確保するためのフラットなパネルに変更される可能性もある。
新しい5ドアハッチのスタイリングは、「はるかに改善される」と述べている。現行モデルは、大型のクラブマンのホイールベースを維持しつつ、小柄に見えるように造形されている。そのため、次期クラブマンはおそらく、全長・全高ともに拡大してトランクや室内空間が広くなり、クロスオーバー風のデザインを採用することになるだろう。
一方、カントリーマンは本格的なSUVへと成長すると思われる。新型BMW X1の兄弟車となるこのモデルは、新しいFAARプラットフォームを採用している。BMWのトップは、重要な米国と中国の両市場で本格的に競争するためには、サイズアップが必要だと述べている。
「ハッチバックの場合、サイズが最も重要です」とハイルマーは語っている。「他のモデルでは、サイズはあまり問題になりません。わたしは各モデルがセグメント内で最も小さく、あるいは視覚的に最も小さくなるようにしたいと考えています。しかし、小さいことが販売に役立つとは限りません」
パワートレインとしては、新型の3ドアハッチ、5ドアハッチ、クラブマン、カントリーマンは、現行の3気筒および4気筒エンジンから大きく外れることはないだろう。カントリーマンにはマイルド・ハイブリッドとプラグイン、クラブマンにはプラグインが用意されると考えられる。カントリーマンの完全EV仕様の計画も進んでいる。