【一体誰が?】2020年秋発売シビック・タイプR限定車 1500万円超で落札 日本

公開 : 2021.04.17 05:45  更新 : 2022.03.25 18:50

新車価格の3倍強 落札価格1500万円超

そして、なんと1500万円超で応札となったのである。

ちなみに、新車時の価格は以下となっている。

ホンダ・シビック・タイプRリミテッド・エディション
ホンダシビック・タイプRリミテッド・エディション

・シビック・タイプR(FF/6MT):475万2000円(税込)
・シビック・タイプRリミテッド・エディション(FF/6MT):550万円(税込)

550万円が新車価格であるから、このたび落札された価格は新車価格の3倍強だ。

実際に海外に輸出されてユーザーに販売される価格は各種税金など含めると3000万円近くになるのではないか。もはやスーパーカーの価格だ。

一体誰がこのような高額のタイプR限定車を買うのだろうか?

と、ここで思い出したことがある。筆者が昨年書いた記事(2020年8月5日AUTOCAR掲載)のことだ。

同じシビックタイプRの限定車「シビックMUGEN RR」がとんでもない価格で落札された件だ。

MUGEN RRとは最高出力240psの「K20A」エンジンを搭載する無限初のコンプリートカーで平成19年に300台の限定で発売され、開始からわずか10分で完売した伝説のクルマである。

平成19年式(約2万キロ)が、398万円の新車価格のところ1100万円超え(税抜き応札額)、平成20年式(約3万キロ)が398万円のところ1300万円超え(同)、平成20年式(約6万キロ)が318万円のところ800万円超え(同)という高額取引を記事で紹介した。

25年を経過していない右ハンドルであることやホンダ製スポーツカーが異常なまでに高人気であること、クルマ好きの富裕層が多いお国柄であることなどから、この時のMUGEN RRは香港人の購入である可能性が高いと考えられた。

1500万円超の個体 向かうはやはり香港?

また、香港の中国化が進行する状況において、香港もやがては中国のように「中古輸入車が全面禁止になるのではないか?」という懸念もあり、「金に糸目をつけず」日本製中古スポーツカーを買い急ぎ向きもあるのはたしかなようだ。

となると、今回のタイプRリミテッド・エディションについても、やはり向かう先は海外。日本と同様、左側通行の国で、同モデルの正規販売がおこなわれていない香港であることが予想される。

ホンダ・シビック・タイプRリミテッド・エディション
ホンダ・シビック・タイプRリミテッド・エディション

海外の日本製中古車事情に詳しい中古車業者A氏いわく、「今回1500万円超で落札されたタイプR限定車は間違いなく海外の買いだと思われます。香港の可能性が高いでしょうね。過剰流動性相場が中古車市場までを恐ろしい形にしています」

「これまで発売間もない時期の高額落札としては2015年発売の4代目シビックタイプR(FK2)がありますが、こちらは750台限定で販売されて間もなくオークションに出品され、新車450万円に対して、最高600万円近くで落札されました。それでもすごいと思ったものですが、今回はケタ違いですね」

1500万円超のシビックタイプR限定車。発売されたばかりでこの価格となれば、数年後、10数年後にはどうなっていくのだろうか? 

アメリカ仕様が600台販売されていることから、スカイラインR34 GT-Rのように、3000万円超となる可能性は低いだろう。

しかし、熱狂的な日本車ファンはたとえ左ハンドル車がアメリカで販売されていても、日本独自の「右ハンドル」であることに大きな価値を感じるという。

日本以外の国ではまだデリバリーが始まっていないようだが、海外ではどうなっていくだろうか?

情報が入り次第お伝えしていこうと思う。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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