【ターボレスのV8+4シーター】フェラーリ・モンディアル 英国版中古車ガイド 手頃な跳ね馬
公開 : 2021.04.27 08:25 更新 : 2021.08.05 08:06
不具合を起こしやすいポイント
エンジン
セパレートタイプのサブフレームのおかげで、モンディアルT以前のモデルは整備性が良い。しかし横置きのエンジンで、トランスミッションとのレイアウトがT形状なため、ベルト交換などの作業はしにくい。
過去の整備記録はすべて目を通し、不自然な空白期間がないか確かめる。近年の油脂類やベルトの交換履歴も確認したい。エンジン始動時に過度な白煙が上がる場合、リビルドの必要性がある。多額の出費は覚悟しておきたい。
ボディ
フロントのフードとエンジンカバーのガス・ストラットは、経年劣化で弱くなる。しかし、約50ポンド(7500円)で新品の2本が購入できる。
フェンダーまわりやバッテリートレイ、ドアの下面などにサビがないか確かめたい。ボディパネルの交換部品は見つかりにくく、修復作業も安くは済まない。
フロントスプリッターは割れやすい。購入する前に、可能なら車体の下回りも含めて包括的に確認を済ませたいところ。
インテリア
実用性はあまり期待しないでほしい。リアシートがあっても、フロントシート側は足もと空間がとても狭い。
上質なコノリーレザーは、時間とともに風合いを増してくれる。しかし距離を走るほど摩耗してしまうので、扱いは丁寧に。
シャシー
初期のクルマはメートル法設計のホイールを履いており、合うタイヤを探すのは非常に困難。後期モデルの16インチや17インチのホイールへ変えた方が、タイヤ交換が楽になるだろう。
モンディアルTは、3種類のドライビングモードを備えた電子制御の調整式サスペンションを備えている。警告灯が点いていたら、アジャスターの固着やアクチュエーターの汚れなどを確認する。
電装系
パワーウインドウの開閉は初めから遅い。本当に動作が悪い場合は、内部機構の劣化やスイッチの接触不良などが考えられる。
長期間乗らないとバッテリーが放電してしまうので、トリクル・チャージャーにつないで常時充電しておきたい。ヒューズボックスは燃える場合がある。予め新しいヒューズボックスに交換しておくのも良いだろう。
オーナーの意見を聞いてみる
アラン・カーリ
「モンディアルは所有する喜びがあります。走りも素晴らしく、出かけるたびに楽しめます。タイヤを選びますがハンドリングは素晴らしく、長旅でも問題ありません」
「ただし、シートは硬めで長時間座るのに快適とはいいにくいでしょう。クアトロバルボーレにはパワーステアリングが付きませんが、大変なのは駐車時や低速の交差点くらいです」
「重たいステアリングが気になるなら、フロントタイヤのサイズを少し落とすといいでしょう。空気圧も高めにすると改善します」