【詳細データテスト】スズキ・アクロス 高効率の電費 優れた燃費 実用重視ながら高いシャシー性能
公開 : 2021.04.17 20:25 更新 : 2021.05.10 05:10
結論 ★★★★★★★★★☆
スズキ・アクロスは、トヨタ RAV4 PHEVのスタイリングを多少変えただけのバッジエンジニアリングモデルだ。しかし、その基礎が素晴らしく強固だ。
スズキ初のプラグインハイブリッドは、クラストップレベルの航続距離を謳うばかりでなく、電力の自律性にも優れているというのがみごとだ。
ハンドリングは熟成された、予測しやすく、安心感のあるものだ。リアルな走行状況でのパフォーマンスは、どのモードを選んでも、地味ながら優れている。
しかも、プラグインのガソリンハイブリッドパワートレインは、駆動用バッテリーを使い果たしてもかなり効率のいいところを見せてくれる。
今回のテストを通じて、数値化できる客観的な指標でいえば、アクロスは抜きんでたクルマだという以外にないだろう。
ただし、4万5599ポンド(約638万円)という価格は、すんなり受け入れられるものではない。ランドローバー・ディスカバリー・スポーツやBMW X3のPHEVバージョンでも、これよりずっと高価だというわけではないし、商品力やリセールバリューでは上を行く。
しかし、感覚的なものより、デイリーユースでの実用性能を重視するなら、覚えておいてほしい。アクロスは、これまでにテストした電動化SUVの大半より優れている。
担当テスターのアドバイス
サイモン・デイヴィス
プラグインハイブリッドの価値には懐疑的だが、このクルマは存分に効果を発揮しているように思える。充電環境が整っていて、短距離移動がメインなら、給油の機会は滅多にないはずだ。
マット・ソーンダース
徹底的に練り上げられ、堂々と中流市場を目指した、使いやすいファミリーカーという印象だ。また、妥協がないというのがなによりすばらしい。価格が高いのは確かだが、ほぼどんなユーザーの期待にも応えるであろうクルマだ。
オプション追加のアドバイス
フル装備状態で販売されるアクロスなので、もっとも大きな選択肢はボディカラーということになる。ディーラーオプションとしては、バンパーの保護コーティングやラバーのフロアマットが用意されている。
改善してほしいポイント
・ハードに加速した際のエンジンノイズは、もっと抑えてもらいたい。
・ブレーキペダルのフィールは、もうすこし一定したものにできるはずだ。
・価格に見合った魅力的なキャビンがほしいところだ。