【詳細データテスト】スズキ・アクロス 高効率の電費 優れた燃費 実用重視ながら高いシャシー性能

公開 : 2021.04.17 20:25  更新 : 2021.05.10 05:10

内装 ★★★★★★★★☆☆

キャビンで唯一、本当に批判したいのは、高級感や目を奪われるような要素が欠けていることだ。マテリアルのリッチさや艶めきがなく、手触りや質感は5万ポンド(約700万円)に近い価格のクルマに期待されるレベルに達していない。

ダッシュボードやドアトリム、シートなどを覆うブラックの合皮は、見た目も手触りもいかにも合皮で、ツルツルして作り物感がある。ワイパーとウインカーのレバーをはじめとしたスイッチ類には、ちょっとばかり手触りが軽くてチープなものも少なくない。

価格の割に高級感は物足りない。しかし、実用性は高い。ダイヤルスイッチは扱いやすく、収納スペースは豊富。なにより、居住スペースは十分に広い。
価格の割に高級感は物足りない。しかし、実用性は高い。ダイヤルスイッチは扱いやすく、収納スペースは豊富。なにより、居住スペースは十分に広い。    OLGUN KORDAL

競合するPHEVを探すと、同じ価格帯にランドローバー・ディスカバリー・スポーツがあり、より高級なレンジローバー・イヴォークとの価格差も大きくないことを考えると、残念に思えてしまうところだ。

それでも、アクロスのキャビンは十分に快適で、かなり機能的だ。それは、兄弟車のRAV4にも共通する特長である。事実、ラバーを巻いた大ぶりなエアコン操作用ダイヤルや、同様のデザインで掴みやすい走行モードセレクターは、ランドローバーより頑丈で使いやすいかもしれない。

また、室内のあちこちに小物を置けるスペースが設けられている。ドリンクボトルやカップはもちろん、財布や携帯電話、キーや手袋など、身の回りのアイテムはどれも居場所を見つけられるはずだ。

居住スペースはかなり広い。座面から天井までは前後席ともたっぷり1mあり、レッグルームは運転席で1m少々取っても、その後ろに720mmを確保できるのだから悪くない。ディスカバリー・スポーツは、後席がスライドするので最大780mmに達するが、アクロスの後席でも、背の高い大人が快適に長距離を過ごすには十分だ。

荷室容量は490Lで、RAV4ハイブリッドの580Lと比べれば、プラグイン仕様のほうがやや減少している。それでも、大きめのスーツケースをふたつ呑み込むのに不足はなく、フロアは開口部までフラットなので、スムースに積み下ろしできる。

フロア下に収納スペースはないが、これはスペアタイヤを積んでいるから。SUVには、スペースセーバーでもスペアタイヤはあったほうがいいと思う。

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