【V8を生で聞くならスパイダー】マクラーレン650S 英国版中古車ガイド 仕様は価格に反映
公開 : 2021.04.26 08:25 更新 : 2021.07.12 18:45
不具合を起こしやすいポイント
エンジンとトランスミッション
V8エンジンは、適切にメンテナンスしていてオイル不足に陥らなければ、基本的には故障知らず。メンテナンスのインターバルは1年毎か1万6000km毎で、英国の場合は1500ポンド(23万円)ほど見ておきたい。
MP4-12Cのトランスミッションはシールの不具合が知られているが、650Sの場合は心配いらないだろう。
タイヤとホイール
新品のタイヤは、1セットで900ポンド(14万円)ほど。ホイールはグレーかシルバー、ダイヤモンドカットが新車時は選べた。ダイヤモンドカットのホイールは、3度までは研磨して美しさを保てる。
サスペンション
サスペンション・アキュムレータの圧力がなくなると、コントロールパネルにサスペンション故障の警告が出ることがある。経年劣化するから、長期所有する場合は定番のメンテナンスといえるだろう。ダンパーなどが不具合を起こすことは稀。
ボディ
修理か所を見分けるのは難しいが、純正の部品や塗料を供給しているのはマクラーレンのみ。ディーラーで修理履歴を確認できる。
アルミニウム製のボンネットやフロントフェンダーが酸化するという報告があるが、マクラーレンは腐食に10年間の保証を付けている。保証が効くうちに修理した方が良い。
ソフトクローズ機構の付いたルーフ用ラッチが、以降のマクラーレンに採用されている。650Sにも後付けが可能だ。
ブレーキ
セラミックブレーキが標準。ハードなブレーキングを繰り返すと、想像以上に早く摩耗する。交換費用は安くない。比較的穏やかに運転していれば、数年は使えるだろう。
電装系
警告灯が付くことがあっても、クルマを停めてECUをシャットダウンさせると、解消される場合が多い。
650Sに2週間以上乗らない場合、ボンネットのラッチを閉じずにバッテリーを充電しておくと良い。ジャンプスタートも可能。完全に電気の落ちたマクラーレンの起動は、簡単なプロセスではないのでご注意を。
専門家の意見を聞いてみる
アラステア・ボルス
「650Sは先代のMP4-12Cより速いだけでなく、よりスポーティな走りを楽しめます。取引価格は、今が下がりきった辺りだと思います。常にMP4-12Cと720Sの間の価格帯に属してきました」
「ハードトップのクーペとスパイダーの走りに、妥協と呼べる違いはありません。好みで選んで問題ないでしょう。フォールディング・ルーフの構造は非常に信頼性が高く、心配いりません」