【世界のトヨタ・ヤリス】SUVやGRモデルだけではない? ヤリス・ファミリー8種

公開 : 2021.04.29 05:45  更新 : 2021.10.13 12:04

日本でも欧州でも売れているトヨタ・ヤリス。日本では見かけない世界のヤリス・ファミリーを紹介します。

勢い止まらぬトヨタヤリス

text:Takahiro Kudo(工藤貴宏)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

「ヤリス」とはトヨタを代表するコンパクトカーだ。

日本では2020年2月に、フルモデルチェンジすると同時に従来の「ヴィッツ」から改名。世界戦略車でもあり、欧州では初代ヴィッツの世代からヤリスというネーミングが使われている。

トヨタ・ヤリス(ハッチバック)
トヨタ・ヤリス(ハッチバック)

そんなヤリスが、次々と記録を打ち立てているのだ。

まずは欧州市場での人気。今年(2021年)1月、欧州(EU加盟27か国)内における新車販売ランキングでヤリスが販売トップを達成するという快挙を実現した。

フォルクスワーゲン「ゴルフ」やプジョー「208」など競合を抑えてのトップには大きな意味がある。

また、3月には「欧州カー・オブ・ザ・イヤー2021」も受賞。過去1年内に発売されたクルマの中から欧州7か国の審査員の投票により選定されるこの賞は、ユーザーの視点に立った評価の色合いが濃い。

そんな中で「今年イチオシのモデル」として欧州メーカー車ではないヤリスが選ばれたことは大きなトピックだ。

そして日本においては、「2020年度(2020年4月~2021年3月)」にもっとも売れたクルマにヤリスが輝いた。

過去3年連続で君臨していたホンダNボックス」からその座を奪ったことからもヤリスの人気の高さがうかがえる。2020年度の販売台数は20万2652台(ハッチバックのほかに「ヤリス・クロス」や「GRヤリス」も含めた数字)だった。

ところで、ヤリスといえば一般的には日本でも売っているハッチバックをイメージするだろう。

しかし世界を見まわすと、車体が異なる多くのモデルでファミリーを構成しているのだ。今回はそんなヤリスファミリーを紹介しよう。

日本でもおなじみのモデル

ヤリス(日本/欧州向けハッチバック)

ヤリスの中心的存在といえるのが日本や欧州で販売しているハッチバックモデル。

日本で販売ランキング上位の常連になっているほか欧州におけるトヨタの最多販売モデルであり、生産は日本のほかフランスでもおこなわれている。

トヨタ・ヤリス・クロス
トヨタ・ヤリス・クロス

2020年2月に発売した新型は、従来モデル(日本名:ヴィッツ)よりも車体を小さくして後席が狭くなる異例のフルモデルチェンジをおこなった。

これは、欧州における「後席はほとんど使わないからその広さよりも、車体が小さく市街地で運転しやすく見えることが重要」と考えるユーザーの意識を反映したものだ。

結果、その判断も大きく効いて欧州での人気が高まったといえる。ボディは、従来まで3ドアモデルが設定されていた欧州も含めて5ドアのみだ。

ヤリス・クロス

ハッチバックのヤリスと基本メカニズムを共用するクロスオーバーSUV。

ハッチバックモデルから半年遅れて2020年8月に日本での正式に発表された。

現行型が初代モデルであり、デビューの背景にはBセグメント・クロスオーバーモデルが欧州で大流行しているという事情がある(欧州ではBセグメント車の販売のうち約4割がSUVとなっている)。

一方で、ヤリス・クロスはハッチバックよりもひとまわり大きな車体として後席居住性や荷室の積載性を高めているのもポイントだ。

パーソナルユースはハッチバック、ファミリーや実用性を求めるユーザーにはヤリス・クロスという棲み分けがおこなわれているのである。

ヤリス・クロスが存在するからこそ、ハッチバックのヤリスは車体をサイズダウンできたといっていい。

ハッチバックと同様に日本のほかフランスでも生産される、欧州市場の主力モデルの1台だ。

記事に関わった人々

  • 工藤貴宏

    Takahiro Kudo

    1976年生まれ。保育園に入る頃にはクルマが好きで、小学生で自動車雑誌を読み始める。大学の時のアルバイトをきっかけに自動車雑誌編集者となり、気が付けばフリーランスの自動車ライターに。はじめて買ったクルマはS13型のシルビア、もちろんターボでMT。妻に内緒でスポーツカーを購入する前科2犯。やっぱりバレてそのたびに反省するものの、反省が長く続かないのが悩み。

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