【世界のトヨタ・ヤリス】SUVやGRモデルだけではない? ヤリス・ファミリー8種
公開 : 2021.04.29 05:45 更新 : 2021.10.13 12:04
戦闘力抜群 WRCに向けたGRヤリス
GRヤリス
見た目はヤリスのハッチバックに近いが、3ドアとしたドアの数だけでなくプロポーションも別物。空力特性を重視してルーフ後方が低くなっている。
しかし、違うのは見た目だけではない。プラットフォームの後半は通常のハッチバック用よりも上級で「カローラ」などに用いられる「GA-C」と呼ばれるタイプを組み合わせて能力を向上。
ボディパネルには軽量化のためにカーボンやアルミを組み合わせるなど、車体そのものが通常のヤリス・ハッチバックとは別物なのだ。
さらに、メインとなるモデルのパワートレインは専用開発となる3気筒の1.6Lターボエンジンに6速MTと新開発のスポーツ4WDを組み合わせて搭載。
ヤリス(ハッチバック)の派生モデルといった存在だが車体もパワートレインも専用開発という、なんとも力の入ったモデルである。
このクルマはWRC(世界ラリー選手権)に参戦するためのベース車両とした開発されただけに戦闘力は抜群。
トヨタを代表するスポーツカーの1台だ。
また、ボディを共用しつつパワートレインを1.5L自然吸気+CVTでFFとした手頃なモデルも用意している。
見慣れた顔? 北米のヤリス
北米ヤリス(ハッチバック)
北米で販売されているヤリスは、日本や欧州のものとは全く異なる。デザインだけでなく車体構造からして別設計だ。
外観から気が付いた人もいることだろう。何を隠そう、北米のヤリスはマツダ2をベースとしたOEMモデル。
トヨタとマツダのアライアンスに基づき、メキシコにあるマツダの工場で生産される。
車体は顔つきこそトヨタ向けの専用デザインだが、ボディそのものやインテリアは基本的にマツダ2と同様。エンジンは4気筒の自然吸気1.5Lでトランスミッションは6速AT。
北米ヤリス(セダン)
北米向けのヤリスは、ハッチバックだけでなくセダンも存在する。
ボディはマツダ2のセダンと共用で、顔つきがトヨタオリジナルだ。
ちなみにマツダ2セダンは日本では販売されていないが、東南アジアや北米などで展開。日本へはマツダ2ではないものの、教習所で運転免許取得の練習に使われる「マツダ教習車」としてタイから輸入されている。
各国の需要に合わせた設計のヤリス
新興国向けヤリス
タイや中国、さらに台湾、インドネシア、インド、南アフリカ、中東、そして南米などでは日本や欧州とも北米とも異なるヤリスが展開されている。
プラットフォームは日本&欧州向けの先代ヤリス(ヴィッツ)と共通だが、車体は全長4.1mとひとまわり大きいのが特徴。
これは新興国で求められる「ファミリーユースで実用的に使える」というニーズに応えるためのパッケージングだ(平均所得が低い新興国ではファミリーユースであっても大型車ではなく安くて実用的なクルマのニーズが大きい)。
ヤリスATIV
タイなどで展開しているセダン。
新興国向けのヤリスをベースにセダン化したもので、同じモデルを「ヴィオス」という車名で展開している地域もある。
ハッチバックよりも全長が約30cm長く、延長分はすべてトランクスペースに使われているから多くの荷物が積める。
ハッチバックよりも積載性が高いのに加え、車体が大きく立派に見えるので「背伸びをしてクルマを買う層」に好まれる。
ヤリス・クロス(タイ)
タイは日本や欧州とは異なる「ヤリス・クロス」が存在する。
新興国向けのヤリス・ハッチバックをベースとするクロスオーバーモデルだ。
日本や欧州向けのヤリス・クロスとは異なり、専用ボディではないが、車体下部のプロテクターやホイールアーチの装着でSUVテイストを強調。
このヤリス・クロスはアクセサリーパッケージとしての設定だが、30mmリフトアップするサスペンションを組み込むなどスタイルだけでなく機能面でもしっかりクロスオーバーSUV化されているのが興味深い。