【環境に優しいことが購入動機に】欧州ドライバーの7割は「次のクルマにEV」 日産、調査結果公表
公開 : 2021.04.19 18:05
約半数が「EVは環境に優しい」と回答
環境面に対する意識については、ICEドライバーの約半数に及ぶ49%が、「EVが環境に優しい」という理由で乗り換えを検討しており、EVドライバーの40%も同様の理由で乗り換えたことがわかった。
しかし、EVが本当に環境に優しいかどうかは議論の余地があり、考え方によっても結論は大きく異なる。例えば、EVの製造時に発生するCO2は、ICE車の製造時よりも多いとされており、これを相殺するためには7万km以上走らなければならないという見方もあれば、約2万6000km程度とする意見もある。
電力の生産方法やエネルギー源、採掘技術、製造方法、輸送方法などにも大きく影響を受けるため、正確な数値を割り出すことは難しい。いずれにせよ、EVの製造時にはICE車より多くのCO2が排出され、これを相殺するには相応の走行距離が必要というのが大方の意見と捉えていいだろう。
フォルクスワーゲンの報告によると、EV製造時に排出されるCO2の約40%がリチウムイオンバッテリーの製造で発生していることが示唆されている。これは、鉄鋼(18%)、アルミニウム(6%)、電気モーター(5%)の製造から発生する量の2倍以上だ。
もちろん自動車メーカーは、世界的な排出量目標の圧力を受けて、これを削減しようと努力している。あらゆる段階でグリーンエネルギーを使用するとともに、工場の効率化を図っているのだ。こうしたアプローチを実施するために、膨大な時間と投資が必要になることは間違いない。
日産は1月、2050年までに製品や事業全体でカーボン・ニュートラルの実現に向けた目標を発表した。欧州では、23年度末までに販売台数の約半分を電動モデルにする。
また、英国のサンダーランド工場では太陽光発電や風力発電施設を拡張し、再生可能エネルギー発電量を増やして、工場で必要とされるエネルギーの20%までに拡大する。日産によると、これは欧州で販売されるEV「リーフ」の全車両の製造をまかなえる電力量だという。