【デジタル化した車内の是非】メルセデス・ベンツS 400d 4マティック L AMGラインへ試乗 前編
公開 : 2021.04.28 08:25
快適性と洗練性、滑らかさが最優先
後輪操舵が付かないSクラスは、狭い道での取り回しに少し苦労する。空港の立体駐車場などでは、気を使うはず。さらにロングホイールベース版は、一般的な英国の駐車場に停めると長さ方向でボディがはみ出てしまう。
運転席からの視認性は、一部の大型サルーンよりは良好。太いBピラーによる死角を減らすため、パーキングカメラは全方向をサポートしてくれる。パッド入りの大きなヘッドレストも、視認性を下げているのだが。
一般道に出れば、Sクラスの大きなボディはさほど意識しなくて済む。片側一車線のような道では全幅に気を使うが、ボディ四隅の感覚は掴みやすい。しかも驚くほど操縦性に優れ、普通のドライバーでも問題なく運転できると思う。
動的特性や乗り心地、操縦性は、快適性と洗練性、滑らかさを優先にチューニングされている。ソフトなエアサスペンションは、Sクラスのロングに期待通り、ゆったりと揺れるような乗り心地を生んでいる。とても快適で静かなクルマだ。
その乗り心地が最大に輝くのは、舗装のきれいな高速道路やバイパス。都市部などに見られる継ぎ目やマンホールなどの入力を、完全に均すことはできていなかった。
プレミアム・プラス・エグゼクティブというグレードに採用される、21インチのアルミホイールと扁平タイヤとの組み合わせでも、車外からの隔離性は高い。だが上質さで際立っている、というほどではないだろう。
この続きは後編にて。