【世界記録に自信あり】ヘネシー・ヴェノムF5 空力開発完了 最高速度500km/h目指す
公開 : 2021.04.21 18:05
空気抵抗とダウンフォースのバランス
市販モデルとコンセプトカーの違いは、ほとんどが空力に関するもので、ウィングやディフューザーが大きく異なる。このクラスでは珍しく、可動式のエアロパーツは備わっていない。
生産責任者のデビッド・デイビスは、過度な空気抵抗を発生させることなく、高速走行時の安定性を確保するために十分なダウンフォースを生み出すことを目指したと語っている。コンセプトで目標としていた空気抵抗係数0.33は、現在では0.39と十分な数値を確保している。
バタフライドアやハイパーカーとしては十分な居住空間を備え、インテリアがレザーとカーボントリムの組み合わせで仕上げられている点も、コンセプトカーとよく似ている。そのほかにも、リアセクション全体が1枚のカーボンでできており、CNC加工(コンピューターの数値制御による機械加工)されたベントホールを備えているなど、印象的なディテールがいくつも見られる。
その圧倒的なパフォーマンスにもかかわらず、それほど速くない速度でも運転しやすいように設計されており、サーキットだけでなく一般道にも対応している。
ダブルウィッシュボーン・サスペンションはパッシブ・ダンパーを採用しているが、バンプとリバウンドのストロークを調整することができる。また、加速重視の「ドラッグ」、究極のスピードを追求する「F5」など、5つのドライビングモードが用意されている。
最初の個体は英国で製造されたが、以降は米テキサス州で製造される。生産台数は24台限定で、価格は210万ドル(約2億2800万円)だ。
ジョン・ヘネシーはヴェノムF5について、2014年にケネディ宇宙センターで435km/hの双方向(往復)平均時速を記録したヴェノムGTよりも「かなり速くなる」と断言している。ただ、市販車としての最速記録を出して、その性能を証明したいと考えているものの、問題はNASAの滑走路の利用可能なスペースが限られていることだと述べた。
「端から端まで、芝生から沼地まで、約5.5kmです。GTは、ブレーキをかけなければならないポイントに到達した時も、まだ加速していました。F5では、理想的なコンディションであれば480km/hに近づくことができると思いますが、ブガッティの数値(490.4km/h)を上回るだけの余裕があるかどうかはわかりません」
「絶対的なV-max(最高速度)を狙うなら、どこかの道路でやらなければならないと思います」