【地球1周を走ったミニ】BMCミニ ジャックとジルの大冒険 アフリカ〜南米 前編
公開 : 2021.05.08 07:05
標高4200mからの下り坂でブレーキ故障
ジャングルを抜けると車線は2m程度へ狭まり、倒れた木々が通行を妨げた。ナタで幹を切りながら進んだフェリス。「アマゾンの冒険と、友好的な人々が旅のハイライト。危険でしたが、まだ若く、川を渡るような障害物越えも大好きでしたね」
「最もドラマチックなシーンは撮影できていません。スタッフは3名だけ。すべての手を使って走破し続けましたから」
ある日は大雨で堤防が決壊。水浸しの峠道では、粘る泥が問題を引き起こした。ホイールアーチ内に泥が溜まりタイヤの回転を妨げ、定期的に止まりジャッキアップして取り除きながら進んだ。
赤道直下の高温はガソリンを気化させた。エンジンへ充分に燃料が供給されず、ピストンを溶かした。クラークたちは6週間をかけてブラジルを北上し、マナウスへ到着。クリスマスが迫る中、ベネズエラに向けた次の2700kmのステージに移った。
アマゾンを抜け赤道を超えると、道路環境は改善。チームの士気も高まったらしい。
首都のカラカスへの道中、セロエルアビラ山ではブレーキが故障。4200mもの標高からの下り坂で、ミニを減速させる唯一の方法はエンジンブレーキのみに。しかし、酷使しすぎたことでトランスミッションも傷めてしまう。
残りの1250kmは、フェリスのミニがもう1台のミニを牽引したという。「ベネズエラでは牽引が違法で、警察には注意しました。トランシーバーは使えず、手信号が唯一、前後のクルマで意思疎通をする方法でした」
人もクルマも疲れ果てながら北上。カラカスに到着し、南アメリカを走破した。
この続きは後編にて。