【どんな地形でもドンと来い】メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン 英国版中古車ガイド

公開 : 2021.05.04 08:25  更新 : 2021.07.12 18:45

不具合を起こしやすいポイント

エンジンとトランスミッション

ゲレンデヴァーゲンは速くもないし、燃費も悪い。のんびりと、信頼できるエンジンの走りを楽しむタイプ。メンテナンス記録を確認し、エンジンオイルが9600km毎に交換されているかを調べたい。

プロペラシャフトの故障は一般的で、高負荷時に振動が出ることが症状の1つ。ガスケットやホース類、ターボの不具合もなくはないが、致命的なものにはなりにくい。

メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン/Gクラス(1979〜2018年/欧州仕様)
メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン/Gクラス(1979〜2018年/欧州仕様)

燃料タンクとホースの中に錆が溜まることがある。クリーニングしてみるのも良いだろう。

サスペンション

リフトアップし大きなタイヤを履いている場合、クルマへの負担も大きい。深いオフロードを走りたいと考えているなら、魅力的かもしれないが。

ストラットマウントの状態は確かめたいポイント。異音や振動の原因になる、既知の弱点の1つだ。

ボディとシャシー

1990年代に入ってからのW463型は、テールライトやウインドウ、バンパー付近が錆びやすい。一見きれいでも、パテで盛られて修理されていないか確かめたい。

駆動系も含めてシャシー周りは、オフロード走行でダメージを受けていないか観察する。後期のゲレンデヴァーゲンはドレインホールが詰まり、サンルーフの不調を招くことがある。この周辺が錆びると、修理は安く済まないので注意したい。

インテリア

走行距離が長いゲレンデヴァーゲンは、それなりにくたびれているはず。シートが摩耗していても、張り直したりカバーなどで対応は可能。天井の内張りのたるみは、修理が厄介。交換する場合、内装パネルをほとんどすべて外す必要がある。

パワーウインドウのメカが固着することがあり、すべての窓の動作は事前に確かめたい。後期モデルに装備されていたカップホルダーが、年式違いのゲレンデヴァーゲンに後付けされている場合もある。

オーナーの意見を聞いてみる

ジョン・ドリング:Gワーゲン・オーナーズ・アソシエーション代表

「様々な側面を考えると、古いゲレンデヴァーゲンは極めて堅牢で、スクラップにしてしまうには価値がありすぎます。フェラーリ並みに珍しく、はるかに実用的。燃費もフェラーリ並みですが」

メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン/Gクラス(1979〜2018年/欧州仕様)
メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン/Gクラス(1979〜2018年/欧州仕様)

「英国では、1万ポンド(150万円)くらいでガレージに長年眠っていたゲレンデヴァーゲンが出てくる場合もあります。OM606型のディーゼルエンジンでレストアされた例は、3万ポンド(450万円)以上は必要でしょう」

「どのゲレンデヴァーゲンでも、スタイリングに大差はなく、品質は同等。新しいミニ・クーパーの予算で状態の良いゲレンデ、という選択も悪くないと思いますよ」

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