【英国スポーツカーの新時代】ロータス 新代表インタビュー 「復活」をかけた劇的な変化
公開 : 2021.04.28 17:25
独自のプラットフォームを開発
エミーラのプロジェクトに意外にも含まれていなかったのが、ロードスター仕様だ。ウィンドルはこの決定が難しいものであったことを認めているが、最終的には別の新モデルがギャップを埋めることになる。
ロータスはすでに、アルピーヌと共同で次世代の電動スポーツカーのプラットフォーム開発に着手している。ウィンドルは、アルピーヌA110のケータハム版を手がけていたため、「合弁企業がどのように失敗するか、よく知っています」と語っている。
しかし、その前に、中国製のロータスモデルは、新しい特注プラットフォームであるエレクトリック・パフォーマンス・アーキテクチャーをベースに作られることになるだろう。ウィンドルによると、その最初のモデルであるタイプ132はすでにかなり開発が進んでいるという。
「わたし達は、さまざまな市場とセグメントに参入する必要があります。また、販売台数を増やすことで収益を上げ、その収益を製品への投資に充てるという好循環を生み出す必要があります」
「ヘセルをスポーツカーの製造拠点および開発本部とすることを計画していますが、中国の武漢ではライフスタイルカーの製造拠点を設置する予定であり、それはジーリーの施設となります」
肝心なのは、そのプロセスをロータスが主導したことだとウィンドルは主張する。
「ジーリーのプラットフォームを利用してクルマを開発することは簡単でしたが、それでは真のロータスにはなりませんでした。わたし達は独自のプラットフォームを開発し、そのプラットフォームが拡張性と柔軟性を備えていることを証明するつもりです」
クルマを「ロータス」にする技術
ポルシェ718ケイマンやポルシェ911などのライバルをベンチマークにしているだけあって、エミーラでは新しいターボチャージャー付き2.0L 4気筒エンジン(ウィンドルは詳細について言及していない)と、エヴォーラのスーパーチャージャー付きV6エンジンのどちらかを選択することができる。
4気筒にはデュアル・クラッチ・トランスミッションのみ、V6にはMT/ATが設定される。
「可能な限り多くの基礎を確保しようとしました。2つのパワーユニットがあれば、市場のほとんどをカバーすることができます。(エミーラは)幅広い訴求力を持ちますが、それでも素晴らしいスポーツカーであり、ベース仕様からRまで様々なモデルが用意されています。人と共に歩んでいけるロータスです」
「EVのスポーツカーやライフスタイルEVを作りたいと考えているメーカーには、ぜひわたし達と話し合って、このプラットフォームをどのように共有できるかを検討してほしいと思っています」
では、EVのクロスオーバーやSUVは、真のロータスといえるのだろうか?ウィンドルは次のように語っている。
「わたし達はプレミアム・ラグジュアリーを実現することもできますが、同時に、クルマを『ロータス』にするための技術も持っています」
「確かに、標準的なロータスよりは重くなりますが、そのクラスでは最も軽いモデルになります。ドライビング特性はギャバン(開発部門を率いるギャバン・カーショウ)が設定しますが、彼がロータスの核となるDNAをどう捉えているかはご存知のとおりです。そして、見た目にも素晴らしいものになるでしょう」