【異端→象徴】2000psハイパーカー ロータス・エヴァイヤ「完成まであと20%」

公開 : 2021.04.27 20:40  更新 : 2021.10.09 22:29

ロータスのEV専業ブランド化への狼煙。2000psのハイパーカー、ロータス・エヴァイヤの開発の現状レポートです。

エヴァイヤ、異端ではなく象徴だった

editor:Taro Ueno(上野太朗)

2019年の7月、突如として発表されたロータスEvija(エヴァイヤ)。ロータス初のBEVという肩書きはその通りだろう。

しかし最高出力2000psのハイパーカー、車両価格2億6000万円以上という驚愕の数字は、これまでのロータスのアーカイブに当てはまらない異端なモデルにも思えた。

ロータス・エヴァイヤ(2021年)
ロータス・エヴァイヤ(2021年)    ロータス

今回発表された「Driving Tomorrow」の中には、エヴァイヤに関するインフォメーションも数多く含まれていた。

それによればエヴァイヤを頂点として、2025年に登場するBEVのスポーツカーや、社外ベンダーと協力して開発し、2020年代の後半の登場を予定しているBEVのライフスタイルカーが脇を固めることになるという。

であればBEV専業メーカーとなるロータスの新しいモデル・ロードマップの象徴、急先鋒としてエヴァイヤがいちはやく登場することはごく自然な流れだと感じた。

ロータスのタイプナンバーに倣って130台の限定生産となるエヴァイヤ。その車重は1680kgに抑えられ、発生するダウンフォースは車重を上回るという。

ロータス初のBEVハイパーカーはヘセルの敷地内に作られた新工場において今年後半に生産の前段階に入るという。

ロータス・マジック、残り20%まで

ビークルエンジニアリングを率いる現在のロータスのハンドリングマイスター、ギャバン・カーショウ。

ロータスに33年間在籍し、ブランドのDNAを熟知している彼によれば、エヴァイヤの開発プログラムは80%完了しているという。

ギャバン・カーショウ
ギャバン・カーショウ    ロータス

パンデミックの影響もあるし、現代の自動車開発には当然のようにシミュレーターのようなヴァーチャルな要素も絡んでくる。

しかしヘセルの敷地内には全長3.6kmのテストコースがある。現在エヴァイヤはヘセルを精力的に走り込み、乗り心地やハンドリング等を煮詰める、つまりロータス・マジックをふり掛ける作業が20%ほど残っているだけだという。

つい2000psという圧倒的なパワーが気になってしまうが、エヴァイヤの開発陣がいつも気をつけているのは、「For the Drivers」というロータスの設立以来の理念である。

パワーや刺激が先行し、ドライバーが扱いきれないようなモデルではロータスのバッヂを付けることは許されないのだ。

エヴァイヤのビークル・ダイナミクス・エンジニア・リーダーであるルイス・カーによれば、エヴァイヤの加速はF1マシンのレベルだが、しかし最初の50ヤードを走っただけでロータスであること、クルマとの一体感が感じられる仕上がりになっているという。

またエヴァイヤは絶えずクラウドサーバーと交信する最先端のテレメトリーを搭載しており、世界中のどこにいてもすぐにサポートできる体制も整いつつあるという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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