【走ると空気が綺麗になる】ロンドンバスのデザイナー、多機能EV初公開 中国企業向け
公開 : 2021.04.28 06:05 更新 : 2021.07.08 12:59
英国のデザイン会社が新型EVを公開しました。室内は広く、部屋のようにさまざまな機能を備えています。
2023年に生産開始予定
ロンドンのバス、ニュー・ルートマスターのデザインで知られるヘザーウィック・スタジオが、走行中に「空気をきれいにする」という自動運転EVのデザインを公開した。
上海モーターショーで公開されたこの「Airo」コンセプトは、SAIC(上海汽車集団)、研究開発企業のZhangjiang Hi-Tech、電子商取引大手のアリババが共同で設立した中国の新興EVブランドであるIMモータースのために設計された。
「自動運転モードとドライバー制御モードを備えた完全EV」として2023年の生産開始を目指しており、「他の自動車による空気汚染を浄化する」という高効率微粒子吸収(HEPA)フィルターシステムを搭載している点が特徴だ。
ヘザーウィックがデザインしたAiroは、その自動運転機能を明確に反映している。2列のシートは向かい合っており(その間には大きなテーブルを置くスペースがある)、ミニマルなダッシュボードには映像を映すことができ、シートをリクライニングすればダブルベッドを置くこともできる。
「旅をしていないときでも過ごせる空間」とヘザーウィックは語る。操作に応じて「不透明になるフル・パノラミックルーフ」や、室内を「完璧なゲーミングポッド」に変える折り畳み式スクリーンなども備わっている。
部屋としても使えるクルマ
パワートレインや性能に関する詳細はまだ明らかにされていないが、「都市のインフラの一部」になるという充電ステーションを公開している。風化鋼で作られたシンプルな構造体に、格納式のワイヤーと「人間工学に基づいたハンドル」が内蔵されており、簡単にEVの充電ができるようになっている。
デザイナーのトーマス・ヘザーウィックは、ニュー・ルートマスターのほか、2012年ロンドン・オリンピックの聖火台、ガーデン・ブリッジのコンセプト、キングス・クロスの特徴的なコール・ドロップス・ヤードなど、多彩な作品を手がけており、Airoを「よりクリーンでより良い未来へとわたし達を運ぶクルマ」と表現している。
彼は次のように述べている。
「Airoは、単に空気を汚さないだけではありません。最新のHEPAフィルター技術を採用し、走行中の他のクルマからの汚染物質も吸い取ることができるのです」
「世界的なスペース不足を同時に解決するために設計されたAiroは、食事、仕事、ゲーム、さらには睡眠のための余分なスペースを備えた多機能な部屋でもあります」