【生産に影響続く】半導体不足 自動車メーカーの対応は? 一部モデルで仕様変更も
公開 : 2021.04.28 06:25
ジャガー・ランドローバー
ジャガー・ランドローバー(JLR)は、半導体の不足により、同社最大規模の生産拠点である2つの工場の操業を少なくとも1週間停止する。
英国のキャッスル・ブロムウィッチ工場とヘールウッド工場では、月曜日から「限定的な非生産期間」を実施する。半導体の供給状況によっては、7日後に操業を再開する可能性もある。
対象となるモデルは、キャッスル・ブロムウィッチ工場で生産されているジャガーXE、XF、Fタイプと、ヘイウッド工場で生産されているランドローバー・ディスカバリー・スポーツ、レンジローバー・イヴォークだ。
レンジローバーとジャガーFペースを製造するソリフル工場は、スロバキアのディフェンダー工場、ブラジルと中国の工場と同様に操業を継続する。
JLRの広報担当者は、AUTOCARに対し次のように述べている。
「他の自動車メーカーと同様に、当社も現在、半導体の世界的な供給状況をはじめとするサプライチェーンの混乱を経験しており、生産スケジュールや一部の車両における世界的な需要を満たす能力に影響を与えています」
「その結果、一部の車両の生産スケジュールを調整し、4月26日よりキャッスル・ブロムウィッチ工場とヘイウッド工場で限定的な非生産期間を設けることになりました。ソリフル工場では生産を継続します」
「当社は、影響を受けるサプライヤーと緊密に協力して問題を解決し、顧客への影響を可能な限り最小限に抑えています」
メルセデス・ベンツ
メルセデス・ベンツの親会社であるダイムラーは、2021年第1四半期の売上高が前年同期比13%増となったが、半導体危機の影響はあるという。
「ダイムラーは、この供給不足が第2四半期の売上高にさらに影響を与える可能性があると予想しています」と声明で述べているが、第3四半期および第4四半期には回復が期待できるとしている。
同社は今週初め、部品不足による生産能力の低下に伴い、ドイツ国内の1万8500人のスタッフを対象に、4月23日から労働時間を短縮した。オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパによると、影響を受けるモデルはCクラス、EQC、GLCなどだ。
プジョー
ステランティスがロイター通信に明かしたところによると、現行のプジョー308は仕様を変更し、2020年の改良で導入されたデジタルメーターからアナログ式のメーターに切り替えて、その後生産を終了するという。
308の販売期間はあと数か月しかなく(新型が先月公開された)、ロイターによると、ステランティスは「半導体危機が終わるまでの間、自動車生産の本当のハードルを回避するための、気の利いた俊敏な方法」と述べているようだ。
プジョーが入手した半導体は、SUVの3008をはじめとする人気の高い新型車に集中しており、不足分を考慮した変更はまだ行われていない。
なお、新型308の発売が延期されたり、デジタルの「iコクピット」が搭載されなくなったりするという話は出ていない。