【次期エクストレイルの北米版】日産ローグ SV AWDへ試乗 オンロード性能を向上
公開 : 2021.05.01 08:25
先代から向上したオンロード性能
最新の日産ローグで走り出してみると、アップデートを受けたCMF-Cプラットフォームを採用し、オンロード性能が向上していることがわかる。加えて新しい電動パワーステアリングも獲得している。
ステアリングの操舵感は、驚くほどにクイックでシャープ。過剰なアシストは抑えつつ、従来以上に手応えのある、信頼できるフィーリングが得られている。改良のメリットといえるだろう。
サスペンションの取り付け剛性も高められたという。リアは新しいマルチリンク式を採用した点もポイント。ステアリングを切ると、正確にクルマは向きを変えていく。
舗装が荒れた路面を通過しても、乗り心地は落ち着きを失いにくい。ロールやピッチといった、姿勢制御にも優れている印象だ。
1つ残念に感じたのが、ハンコック社製のオールシーズンタイヤが生むロードノイズ。ホイールは18インチと特に大きいわけではないものの、かなりはっきりと車内に伝わっていた。
ただし欧州仕様や日本仕様のエクストレイルでは、市場特性に合わせてサスペンションは再調整を受けるはず。タイヤの銘柄も変わってくるだろう。
2.5Lの4気筒自然吸気エンジンは特に興奮を誘うタイプではないが、必要な時に不足ないトルクを生んでくれる。トランスミッションはCVTだが、不必要にノイズを発したりすることもなかった。
高い競争力を発揮する可能性
シフトノブはバイワイヤ。センターコンソールは2層式になっていて、浮いたシフトノブの下側には、便利そうな小物トレイがレイアウトされている。
スポーツ・モードを選択し、ステアリングホイールに取り付けられたパドルを弾けば、CVTは擬似的な変速を表現。ステアリングの重さは増し、アクセルレスポンスは鋭くなり、気分を盛り上げてくれる。4月のカナダでは、四輪駆動がありがたいと感じた。
次期日産エクストレイルの正確な仕様はまだ確認できていない。しかし、間もなくのリリースに向けて、充分に期待できる内容は備えているといえるだろう。
恐らく次期エクストレイルでも、乗り心地やハンドリングは先代より明確にブラッシュアップされるはず。eパワー・ハイブリッドと組み合わされば、日産を強力に牽引してくれるに違いない。パッケージングにも優れ、高い競争力を発揮することになりそうだ。
日産ローグ SV AWD(北米仕様)のスペック
英国価格:2万6000ポンド(390万円/予想)
全長:4648mm
全幅:1838mm
全高:1689mm
最高速度:193km/h(予想)
0-100km/h加速:8.2秒(予想)
燃費:12.0km/L
CO2排出量:195g/km
車両重量:1608kg
パワートレイン:直列4気筒2488cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:183ps
最大トルク:24.9kg-m
ギアボックス:CVT