【期待どおり、盤石感】アウディRS6 アバント試乗 常連向きの刺激

公開 : 2021.05.07 12:20  更新 : 2021.10.11 14:50

アピール過多、でも期待裏切らない完成度

RS6アバントのステアリングを握っていると、多くの人は気持ちが大きくなってしまうに違いない。

高速道路を流していると「フェラーリとかいないかな~」みたいな悪戯心が自然と湧いてきてしまうのだ。305km/hでスピードリミッター作動! という冗談のようなスペックも 「むべなるかな」と思えてくる。

アウディRS6アバント
アウディRS6アバント    神村 聖

RS6アバントのライバルはメルセデスAMGのE63 Sのステーションワゴンやパナメーラ・スポーツツーリスモあたりだろう。

まるでレギュレーションでもあるかのように全車4L V8ターボ+AWD+電子制御のエアサスで統一されているのだが、ドライブフィールはメイクスの個性に紐づけられている。

メルセデスAMGやポルシェは動力性能やタイヤのグリップ、デフの締結感といった感触をクルマ全体の雰囲気に溶け込ませるスタイル。

一方のRS6アバントは各々の感触がドライバーに直接、しかも強めに訴えかけてくる。だからアウディは例えクルマ好きじゃなくても凄さがわかりやすいといえる。

だがこういった性格は諸刃の剣で、RS6アバントの見た目やドライブフィールをアピール過多と捉える人もいるはずだし、長距離ドライブでは強い個性がストレスになってしまう可能性もあるように思う。

とはいえ、アウディRS6アバントはじっくり比較検討して買うようなクルマではない。

「これじゃなきゃ」というファンがいるはずだし、そういった常連の期待を裏切らない仕上がりになっていることはたしかなのである。

アウディRS6 アバントのスペック

価格:1764万円
全長×全幅×全高:4995×1960×1485mm
ホイールベース:2925mm
車両重量:2200kg
エンジン:3996cc V8ターボ
最高出力(エンジン):600ps/6000-6250rpm
最大トルク(エンジン):81.6kg-m/2050-4500rpm
トランスミッション:8速オートマティック
燃費(WLTC):7.6km/L
駆動方式:4WD
タイヤサイズ:275/35R21

記事に関わった人々

  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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