【じっくり見る】フェラーリSF90スパイダーは買いか 最強PHEVスパイダーの真価

公開 : 2021.05.03 22:03  更新 : 2021.10.11 10:56

フェラーリの新世代電動モデルのオープンカー「SF90スパイダー」。買いの1台となるかを検証。写真もたっぷり撮影してきました。

SF90の位置づけを理解しよう

text&photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

フェラーリ初の量産プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)として、2019年にデビューしたSF90ストラダーレのオープン仕様「SF90スパイダー」が、この春に日本公開された。

SF90は、これまでの内燃8気筒ミドシップ2シーターとは別ラインとなる、電動ミドシップ2シーターというポジショニングが与えられた。

システム統合出力1000psを発揮するPHEV「フェラーリSF90スパイダー」。
システム統合出力1000psを発揮するPHEV「フェラーリSF90スパイダー」。    上野和秀

ちなみにSF90ストラダーレという車名は、SF=スクーデリア・フェラーリ設立90周年を祝ったストラダーレ(ロードカー)という意味で、F1で培われた技術を投入した最先端のPHEVスーパースポーツである。

SF90ストラダーレのオープンバージョンとなる「SF90スパイダー」は、2020年11月12日にマラネッロで発表され、今年4月に日本で披露。

お披露目されたSF90スパイダーは、ライティングで印象が変わる新色のジアッロ・モンテカルロのボディカラーが目を惹いた。

SF90スパイダーのフェラーリ内での位置づけは、ハイパフォーマンスで走りが楽しめるモデルとされ、F8スパイダーと812 GTSの上位に位置する。

リトラクタブル・ハードトップ詳細

ここであらためてSF90スパイダーを説明すると、SF90ストラダーレをベースにルーフをリトラクタブル・ハードトップ(RHT)化したオープンモデル。

往年のF355スパイダーのようにフラットデッキのフルオープンにはならず、キャビンの後方には360スパイダーに始まるロールバーを内蔵したフェアリング状のカウルが備わる。

フェラーリSF90スパイダーのリトラクタブル・ハードトップ。ルーフオープンまでの一連の動作も撮影することができた。
フェラーリSF90スパイダーのリトラクタブル・ハードトップ。ルーフオープンまでの一連の動作も撮影することができた。    上野和秀

エクステリア・デザインはフェラーリ・スタイリングセンターの手によるもので、これまでにない新たなスパイダーの姿を示している。ボディサイドからキャビンを包み込むような造型とされ、これまでにない一体感のあるスタイリングが特徴といえる。

RHTの開閉時間は14秒で、タウンスピードであれば走行中の開閉も可能だ。

RHT本体はアルミニウム製で、耐候性・遮音性に優れた快適なキャビン空間を得ている。

一般的なRHTでは150~200Lの格納スペースが必要だが、SF90スパイダーでは巧妙な設計により100Lとコンパクトに。また、多くのRHTシステムに対して40kgの軽量化を実現。

デザインを細かく見てゆくと、458スパイダーで廃止されたエンジンフードのウインドウが復活し、再びエンジンをショーアップするようになった。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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