【激レアなポルシェたち】GTLアバルトから904カレラGTS、916、911 T/R 前編

公開 : 2021.05.22 07:05

911 Tをベースにした911 T/R

デザインは914に準じているが、ルーフパネルは固定式のスチール製。大きく膨らんだフェンダーも与えられた。シャシー補強が施され、エンジンは192psの2.4Lか213psの2.7L、2種類のフラット6が組まれている。

916のプロジェクトは、911の販売へ及ぼす影響を考え中止に。プロトタイプはポルシェの経営陣によって引き取られたが、一部は個人へ売却された。

ポルシェ916(1972年)
ポルシェ916(1972年)

時折オークションに出品されることもある。2019年には、ピエヒへ作られた350psのプロトタイプが、100万ドル以上の高値で落札されている。

珍しい911も種類はふんだん。中でも1973年のカレラRSは、少し有名過ぎるかもしれない。日本では「ナナサンカレラ」というあだ名まで頂戴している人気者だ。

少し趣向を変えて、911 Tをベースにした911 T/Rはどうだろう。こちらもロードリーガルなレーサーだ。ベースとなったポルシェ911のTは、最もパワーが少なく質素なモデル。そのぶん923kgと最も軽量だった。同時期の911 Sは、975kgほどあった。

当時のFIAの規定では、162psの911 S用エンジンの利用が許されており、911 T/Rは50psほどのパワーアップを実現。ほかにも、Sから譲り受けた多くのアップグレードが施されている。

ポルシェ純正のスポーツキット2を組めば、キャブレターのジェットとカムシャフトが高性能になり、188psへパワーアップも可能。クロスレシオのトランスミッションと、LSDも装備できた。

911 T/Rの生産台数は、30台を少し超える程度だと考えられている。さらに23台か25台の、2.3Lと2.4Lの911 S/Tも作られている。

911フラットノーズから924カレラGTSなど、この続きは後編にて。

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