【新しい未来が見える】トヨタ・ミライへ英国試乗 一新しつつ安価に 航続距離643km

公開 : 2021.05.14 08:25

英国では先代より1万ポンドもお手頃に

ミライのエアインテークには高性能なフィルターが備わり、空気清浄機のような機能も果たす。SO2やNOx、PM2.5といった物質を捕捉し、燃料電池スタックへはきれいな空気のみが送られる仕組みだという。

その空気清浄機能の働きは、車内のモニターに映し出されるグラフィックで確かめられる。ミライで自動車旅行を楽しみながら、健康に優しい空気にもできるというわけだ。

トヨタ・ミライ・デザイン・プレミアム(英国仕様)
トヨタ・ミライ・デザイン・プレミアム(英国仕様)

スタイリングや乗り心地、インテリアの内容に関わらず、FCEVを購入するには考慮すべき要点が少なくない。クルマの価格は安くないし、水素を補充できるインフラは英国でもまだ限られている。

英国価格には、トヨタの努力を感じる。エントリーグレードなら、4万9995ポンド(749万円)から。今回試乗したデザイン・プレミアムというグレードの場合、6万4995ポンド(974万円)となっている。

英国では、先代より1万ポンド(150万円)ほどお手頃になった。すべての面で、大幅な性能向上が図られているにも関わらず。

ビジネス利用でのリース契約を組んだ場合、英国ではエントリーグレードで月額435ポンド(6万5000円)から。なんと、先代のミライより300ポンド(4万5000円)も安い。

大幅に価格が見直されたといっても、多くの英国人にとってはまだ手に届く金額ではないことは確か。新価格で大幅な販売台数の増加をトヨタは見込んでいるが、まだ水素ステーションそばの企業ユーザーが中心となるだろう。

新しい未来が今までよりはっきり見えた

英国のヒースロー空港には、便利な水素ステーションがある。その近辺なら、新しいミライを目にする機会は増えるはず。

もっとも、トヨタもミライを大量に売りさばくことは考えていない。トヨタが提案する水素技術と水素社会のアンバサダー的な役割が大きい。電車やバス、ボート、住宅にも水素を利用することを、トヨタは考えている。

トヨタ・ミライ・デザイン・プレミアム(英国仕様)
トヨタ・ミライ・デザイン・プレミアム(英国仕様)

読者の中には、水素は量産車のエネルギー源になり得ないと考える人もいるだろう。だがトヨタは、富士山の麓に水素をエネルギー源とする実験的な都市構想を進めている。

少なくとも新しいミライの登場で、新しい未来像が今までよりはっきり見えたとは思う。

トヨタ・ミライ・デザイン・プレミアム(英国仕様)のスペック

英国価格:6万4995ポンド(974万円)
全長:4975mm
全幅:1885mm
全高:1470mm
最高速度:173km/h
0-100km/h加速:9.0秒
航続距離:643km
CO2排出量:−
車両重量:1950kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
使用燃料:水素/燃料電池スタック330セル
最高出力:182ps
最大トルク:30.4kg-m
ギアボックス:CVT

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