【早くも海外流出?】ホンダS660の中古車相場、高値更新中 どこに向かう

公開 : 2021.05.11 17:40  更新 : 2022.03.25 18:49

ホンダS660は2021年3月に生産終了が発表。注文殺到で完売。中古相場も高騰。需要や今後を探ります。

S660生産終了 2021年3月正式発表

text:Kumiko Kato(加藤久美子)
editor:Taro Ueno(上野太朗)

2021年3月、ホンダの軽スポーツカー「S660」が1年後の2022年3月に生産終了することが発表された。

生産終了まではまだ1年近くあるものの、発表直後から注文が殺到し3月30日には「完売」となってしまった。もう今は、新車のS660をディーラーで購入することはできない状況だ。

ホンダS660(2020年)
ホンダS660(2020年)    ホンダ

同時に、にわかに騒がしくなっているのが中古車相場、業者オークションでの価格である。

予想通り、いや予想以上の勢いでS660の価格が高騰しつつある。

大手中古車雑誌のサイトでも検索ワードの1位が「S660中古」となっており、その人気がうかがえる。

北関東のとある中古車業者も驚きを隠せない。

「人気があるのは圧倒的にMT車です。ATはまだそこまでという感じですが、MT車人気につられて価格が上がり始めています」

「2月初めの頃は今回より条件のよい走行8000kmで評価点5のS660(X車)が150万円以下で落札されていました」

「それが、3か月後の5月初旬では、X車に比べて走行距離が3倍以上長く、また評価点も低いS660(Y車)がなんと200万円超で落札されました。これは業者間でも衝撃でしたね」

「おそらくX車が今、オークションに出品されれば300万円近くになる可能性もありますね」

「またホンダのコンプリートカーであるモデューロX版はさらに人気があります。H30年発売のモデューロXに至っては今年4月以降、中古車店の店頭から消えました。中古車雑誌にもほとんど出ていません」

「また、最後の特別仕様車『S660モデューロXバージョンZ』(2021年3月発売)も完売していますが、315万超の新車価格がどこまで上がっていくのが怖いくらいです」

「業者オークションに出る前に、海外に送られる可能性もありますね」

また、ホンダ車を専門に扱う中古車業者もこの急展開に戸惑いを見せている。

「昨年秋頃から、S660(MT車)の応札価格はじわじわと上がってきていました。そして2月初旬までは例えばスタート価格100万円だとしたら応札価格は150万円など、およそ1.5倍の価格までセリがおこなわれていたのです」

それが、生産終了を公式にホンダから発表された今年3月以降、状況が一転したという。

「S660の応札価格が急激に高騰しており、スタート金額→応札額が2.5~3倍になりつつあるのです」

「例えば80万円でセリがスタートしたS660が2月初旬なら120万円で応札となっていたのが、今後は200万円超での応札が当たり前になるかもしれませんね」

それだけではない。出品台数にも大きな変化が見え始めているという。

記事に関わった人々

  • 加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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