【タッチモニターは便利?】フォルクスワーゲン・ゴルフ(3) 長期テスト ノブが懐かしい
公開 : 2021.05.22 09:45 更新 : 2021.07.12 18:55
純EVへの本格的なシフトが進む現在、8代目VWゴルフはバランスに優れたファミリー・ハッチバックといえるのか。長期テストを通じて確かめます。
積算1678km モニターとセンサーに置き換わる
最近のクルマはどれも、実際に押せるボタンやスイッチ類をダッシュボードからなくし、ツヤツヤのタッチモニターや触覚センサーに置き換える流れにある。それは8代目のフォルクスワーゲン・ゴルフでも同じだ。
先進的な技術と使いやすさとのバランスを強く意識してきたモデルでも、避けられない流れなのだろう。タッチモニターの存在感が大きいダッシュボードは、先代までのゴルフと一番の違いでもある。
このダッシュボードは、英国編集部の間では賛否両論。ゴルフに乗ってしばらく時間が経つから、このタッチモニターまわりについて考えてみたい。
8代目ゴルフの車内中央には、小さなタッチセンサーの上に、巨大な10.0インチのタッチモニターが鎮座している。各機能の操作系の多くは、これに統合されている。
タッチセンサーの間には、ラジオのボリュームやエアコンの温度などを操作する、スライダーと呼ばれる横長のセンサーもある。既にご存知の読者も多いかもしれない。
このインターフェイスの導入は、従来のゴルフでもかなり大胆でモダンな変更といえる。実際、良い部分もちゃんとある。特に操作系のレイアウトは優れている。
インフォテインメント用モニターの位置は良く、運転中でも大きく視線をそらさずに内容を確認できる。特に手を伸ばさずとも、端の方まで触れることもできる。
ゴルフの操作系の完成度は悪くない
メーターパネルもモニター式になった。ゴルフサイズのハッチバックとしては珍しいし、表示内容の切り替えは自由度が高い。
メーターパネルのモニターは表示エリアが3分割になっていて、それぞれ複数の選択肢から情報を選べる。一度使い方を覚えれば、必要な情報を簡単に映し出すことができる。
ブランクのタッチセンサーは、インフォテインメントシステムのショートカット機能や、エアコン、ドライブモードなどの設定時に触れる多機能なもの。スライダーの両端に付いている。
どちらも触れやすく、レイアウトもロジカルだと思う。タッチセンサーには、押したことがわかる触覚フィードバックも付いている。
ステアリングホイールのスポーク部分には、ラジオの選曲やボリュームなどのボタンが配置されている。基本的にはステアリングホイールから手を離さず、多くの操作が行える。
確かに、タッチスクリーンを介さなければ操作できない機能もいくつかある。とはいえ、タッチモニター化の流れにあって、ゴルフの完成度は悪くないと思う。インフォテインメント・システムの機能も素晴らしく、よくデザインされている。
同時に、昔のボタンやスイッチほど運転中の操作は簡単ではない。筆者が気になるのはスライダー。センサーの上で指を滑らせると、エアコンの温度やラジオのボリュームを変えられるのだが、反応が鈍く正確に動かないことが時々ある。