【いまだはっきりしない】日産エクストレイル新型 日本導入時期 欧州の次? 米では大成功
公開 : 2021.05.14 05:45
日産ローグがアメリカ市場で大成功
今回の決算発表で示された資料の中で、商品満足度という項目で、ローグが「北米日産で過去最高の購入者満足度」、キャッシュカイが「欧州日産で過去最多の予約注文」、そしてエクストレイルが「中国上海モーターショーで『ベスト・アップカミング・ニューカー・アワード』を受賞」と、新型エクストレイル絡みの様々な功績が讃えされた。
このうち、最も早く市場導入された北米ローグは、直近の2021年1〜3月期の販売台数は8万6720台となり、これは北米日産のSUV車種でのトップで、キックスの3倍、ムラーノの7倍、パスファインダーの約10倍という好調な売れ行きだ。
北米日産の乗用車部門と比較しても北米での主要分野であるC/Dセグメントセダンのセントラやアルティマ、それぞれの2.5倍に達する数字である。
また、新型ローグの台当たり販売奨励金を4.6%削減したことで、台当たりの販売価格は3.8%増となり、ローグは日産にとって実質的に大きく稼ぐクルマになっている。
ニッサン・ネクストでは、事業の「選択と集中」を最優先課題としており、グローバルで見てSUV市場が最も大きなアメリカでローグを先行発売する意義は大きく、その効果が明確に現われているということになる。
では、ローグの兄弟車、エクストレイル日本仕様はどうなる?
エクストレイル導入 欧州の次か?
決算資料の電動化の推進という項目で、2021年度以降のeパワー搭載車種として、エクストレイルeパワー販売は欧州のみとの記載がある。
前述のように2021年4月の中国上海モーターショーでは、エクストレイルとして発表されており、搭載ユニットはVCターボとしている。
一方、ローグは排気量2.5Lの直4ガソリンエンジンのみを搭載し、価格を抑えることで市場競争力を上げている。
そうした中で、日本向けエクストレイルには欧州同様に、1.5LのVCターボを発電機として使う、eパワーターボを搭載する可能性が高い。
同ユニットはすでに、エクストレイルとプラットフォームを共用する欧州キャッシュカイに搭載することが決まっている。
2021年2月に、日産が筆者を含む一部メディア向けにおこなったオンラインでのeパワー技術説明会で、開発担当者は「第2世代となったeパワーでは、既存のHR12型エンジンに加えて、日本を含めてグローバルでエンジンバリエーションを増やす」と明言していた。
決算での報告から推測するに、eパワーターボ搭載の新型エクストレイルは欧州で先行発売され、追って日本市場でも発売となると考えるのが妥当だ。
その時期については、2021年秋の東京モーターショーが中止となったいま、日産としては発表と発売のタイミングを精査していると思われる。